あなたは何ビッチ?湯山玲子著『ビッチの触り方』から見る“ビッチ“の意義
突然ですが「ヤリマン」と「ビッチ」の違い、わかりますか?
言葉のイメージとして前者はイラッ、後者はドキッとさせられないでしょうか?“求められれば身体を許すという受け身な語感を感じるのがヤリマン、個人の意思で取捨選択し、自分本位なのがビッチ”…そう解釈するのが、『女装する女』の著作で話題を呼び、クラブカルチャー文化の筆頭でもある湯山玲子氏。
確かに「あの子ってヤリマンだよね」「あ~、彼女はヤリマンだから」という陰口に比べて、どこかのブランド名にありそうな、洒落ているような響きのあるビッチ。「あいつはビッチだぞ」という囁きからは、ちょっとカッコよくて大人な雰囲気をまとっている気さえします。
今回は、そんなビッチの生態を徹底的に解明し、露わにした湯山玲子の新作『ビッチの触り方』をご紹介します!
FXビッチにエロナースビッチ!?ビッチにも種類があった!
この本の見どころは、なんと言ってもビッチのジャンル分け。森ガールビッチや帰国子女ビッチ、メンヘラビッチや文化系ビッチなど出没地や外見の特
徴などを事細かにポイントを押さえていて、思わず「あー、いるいる!」と共感せずにはいられません。
たとえば最近ブログやフェイスブックで多く見られる自分撮り写真にもビッチがいるんだとか。「すっぴん♪」というポップなワードとともに並ぶのは、まつ毛エクステばっちり、カラコンは装備澄み、上からの撮影角度で顎のラインに気をつけた完璧なるキメ顔写真。ネットで自ら脱いでいき、色っぽい写真を公開し注目されることに快感を覚えてしまった彼女らを名付けたのが“バーチャルビッチ”。ビッチ度数は30点、趣味はケーキバイキングでグラドルの真似やあひる口の外見が特徴…どうでしょう?身近で思い浮かぶ人、いませんか?
ビッチ流行で女の子の性意識を開放せよ!
現代ではいろいろなビッチのパターンがあるのに、今でも誰もが思い浮かべるビッチと言えば露出度の高いぴったりと身体のラインが見えるボディコン服…をイメージしてしまうあたり、女性の性は今でもとっても閉鎖的。
男性の性欲はオープンなのに、女性の性欲については認識されにくいのが日本の現状。「男性が女性の性を目覚めさせていく~」なんていう幻想の呪縛から逃れられずにいます。
経験のなさは奥ゆかしさの象徴、知らないことが可愛いとされる風潮のなかで、ビッチこそが女性の控えめな性意識に風穴を開けるキーワードになるかも。友達と読んで笑い合うのも良し、女の生態を暴くべく熱心に読むのも良し。さて、あなたは何ビッチでしょうか?