映画「ブライズメイズ」にみる、女の友情と競争心の微妙な関係

2012.07.11

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アメリカの結婚式をテーマにした映画『ブライズメイズ史上最悪のウェディングプラン』、親友のブライズメイド(花嫁介添人)となった主人公のドタバタコメディです。が、この映画がほんとうに取り上げてるテーマは、結婚そのものより女の友情と競争心の微妙な関係にみえるのですが、なかなか興味深い問題です。


主人公アニーは、親友リリアンの結婚式でブライズメイドのまとめ役を頼まれる、でも他にも自分とまったくそりの合わないセレブな女ヘレンもブライズメイドに選ばれていて、、、。
そもそもブライズメイドとは、日本のちょっとお堅いイメージの花嫁介添え人とは違って、花嫁が自分の仲のいい友だちや姉妹が選ばれます。ですから、ブライズメイド(通常複数人)は、協力し合って、花嫁のドレス選びから当日の細かいことまでよき相談相手となり、結婚式を成功させることが任務といえます。ですが、仕事もうまくいかず生活に四苦八苦のアニーと、お金のかかるゴージャスさをアピールするヘレン、価値観がちがいすぎてうまくいくはずがありません。
幼なじみで親友リリアンの結婚を素直に祝福するのがお役目なのに、お金持ちをひけらかすヘレンに対し、猛烈な競争心を燃やすアニー。そこには、たんなるブライズメイドを超えたライバル心を感じます。

自分が心の頼りにしている友だちが、自分の知らない世界と友だち(映画ではヘレンが象徴する世界)をもっている、そのことに軽い焦りと嫉妬感を覚える。そんなことって、女同士で実はよくあることなのではないでしょうか?
そういえば、エッセイの名手である阿川佐和子さんもどこかでこんなふうに書いていました。
“とかく女性は、趣味や関心事が似ていると、それをよりどころに親しい人間関係を作りたがる。そして反対に、友人が自分と異なる価値観をもっているとわかるや、きわめて批判的になる。”

恋愛で恋のライバルに嫉妬するのはよくあることですが、実は友情でも“相手にとって自分がいちばんでありたい”なんて願望ももってしまう。つくづく女って、欲張りな生きものなのかもしれません。

ちなみにこの映画とあわせて、『ハングオーバー 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』も見ると、男同士の単純な友情に比べ、いかに女の“友情”なるものが複雑なものかよく分かるような気がします。男女の違いが如実にでているこのコメディ2作品、カップルで一緒に見てみるのもおすすめです。

映画「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」オフィシャルサイト
映画『ハングオーバー 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』

ライター:Waxy

2012.07.11

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記事を書いたのはこの人

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Written by Waxy

南半球オーストラリアから世の動きを眺めています。 ガーデニング好きで、イチゴ栽培が特にお気に入り。