このご時世に、中小企業の社長になった私【新米社長日記 #1】

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2020.05.21.Thu

「僕の代わりに社長をやってくれない?」新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界をここまで激変させるなんて考えもしなかった、懐かしく愛おしい「日常」があった頃でした。2019年10月のこと。
およそ4年ぶりに会う人と新宿の喫茶店で対面し、目が点になったのを覚えています。大袈裟ではなく、本当に“点状態”だったと思います。「へ?」みたいな……。
「私が社長になる?」会社員生活は3年未満、その後は個人事業主として7年やってきました。最後の4年は「DRESS」というメディアの編集長でしたが、あくまで媒体の舵取りをする役割であり、社長とは違う仕事です。
11月には「DRESS」の仕事を5年目もしませんか、という打診を受け、契約締結をする見込みがありました。でも、数日考えて社長をやる道に進むことにしたのです。理由は人生で初めてのことを経験したかったから。好奇心で動きました。

新米社長日記

社長になる3か月前からジョイン

「社長の話、受けたいです」と伝え、11月から「プレスラボ」という会社を少しずつ手伝うようになりました。いち編集者として編集業務も一部始めていました。
社長に就任するのは翌年2月。1月決算が終わってからねと、当時の社長と話をつけていたのです。突然やってきたよそ者がすぐに社長になると、メンバーも違和感をおぼえるんじゃないか、とも思いました。
とはいえ、私はプレスラボと全然縁がないわけではなく、特に2012〜2015年あたりは、かなりの量の仕事を受けていました。それこそ年間で見ると、100〜200万円近く売上があった年も。私の収入の結構なボリュームを占めていた、まさに主要取引先だったのです(ありがたや!)。
だから、会社のメンバーとも一緒に仕事をさせてもらったし、お世話になっていたという過去があります。そのため、みんなにとっても「全然知らない人」ではない。2016年以降は細々とですが、それでも仕事を回してもらっていました。
ただ、メンバーが入れ替わり、名前は知っているけれど全然関わりのない人もいました。そこで始めたのは会議に参加すること。2週間に一度の会議に11月後半から参加。自分がどんな人間なのか、この会社に加わることで何ができるのか、少しずつでも伝わるようにという思いがありました。

自分の役割を果たすために、仲間集めをスタート

12月からは新規メンバー募集に対し、応募してくれた候補者と会う「面談」の設定や候補者とのやりとりも積極的にやるようになりました。これから入るメンバーは、新たなリーダーになる私のフィルターを通して決定したい、そうしないと組織をアップデートすることはできない、と思ったからです。
元社長が12年も続けてきた会社。そこにわざわざ私のような「外の人」を招くのは、今の状態を変えてほしい、という思いが大なり小なりあるのは確かです。私はそのミッションを達成することが求められています。自分の役割を果たすために、ときにチーム、ときにパートナーとして、仕事をしやすい仲間を集める必要がありました。
「DRESS」時代に私のアシスタント候補として応募してくれて、とてもお世話になっていた女性も、私が会社を移ると知って、自らの意思でついてきてくれることになりました。彼女は今もDRESSでの仕事を続けつつ、プレスラボでも活躍してくれています。
1月から来てくれた彼女がいなかったら、私は途方に暮れていたと思います。それくらい、大いに助けてくれているし、自分は社長になったけれど、ひとりでは何もできない人間だなと感じさせられます。
彼女は私を信頼してくれていて、人として好きでいてくれて、いつだって味方でいてくれる。そんな人が身近で力を貸してくれるのは、心強いという以外の何者でもありません。新たな環境でリーダーになるなら、正しく生きている限り、自分を裏切ることのない仲間が、最初からひとりでもいると安心だと思います。

社長を1年やったとき、社長初心者はどう成長してる?

2月、代表が交代した旨を公式にアナウンスしました。しかしそのときも、新型コロナウイルス感染症の問題がここまで深刻化するとは、思ってもいませんでした。
会社のお金回りに無知すぎる私は、1月から『いちばんやさしい会計の教本』を読み始めていました。『社長、辞めた社員から内容証明が届いています』も。とにかくインプットしないと、と気が急いでいたと思います。
でも、その中で対処しなければならない問題が、次から次へと出てくるのです。社員数10人未満の小さな会社の社長。しかも「世界経済は大恐慌以来の悪化」なんて言われる、会社経営をするにあたり「逆風」とも言える時期。
まっすぐノーマルな見方をするとそうでしょう。でも、逆さまに見たらどう? 斜めから見たら? 後ろから見たら? そんな風に考える人間なので、希望を捨ててはいません。
こんなときにたまたま社長になった私が、会社をどうしていくのか、それに伴い自分をどう磨いていくのか、試行錯誤する日々をこれから1年にわたり、連載させていただけることになりました。どうぞよろしくお願いします!

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記事を書いたのはこの人

Written by

池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。
写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子