ご機嫌な自分でいるために…家での心地よい「ひとり時間」の過ごしかた

「私にとってひとり時間は“余白”のようなもの。ひとりの時間と誰かと過ごす時間をサンドイッチ状にするのが好きです。ひとり時間は冷静さを取り戻す時間でもあり、とくに家事やひとり旅は、貴重な内省のひとときだと思っています」

こう語る30代会社員のユキ(@yukikrym)さんは、ひとり時間を大事にしている人。「人生に適度なスペースを設けていたい」と話します。「ひとり上手」なユキさんに、ひとり時間の過ごしかたを聞きました。

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人生にひとり時間は欠かせない

子どものときからひとり時間が好きで、3歳頃から読書やお絵描き、工作など、ひとり遊びが習慣だったユキさん。
小学生になってからは同級生と遊ぶ時間は増えたものの、それでもひとり時間は確保していて、日記に「友達と遊ぶ時間と同じくらい、ひとりの時間が欲しい」と書いた記憶も。20年以上を経て30代の大人になった今、日々をどう過ごしているかたずねてみると、完全にひとりで過ごす日もあれば、ときに誰かと過ごす時間もあって、そのふたつを行き来しているとのこと。
ただ、旅は9割はひとりで楽しんでいて、大学時代に初めて国内ひとり旅をして以来、社会人になってからは海外ひとり旅をするように。

「好きなときに起きて、好きなところに行ける、自由気ままでいられる気持ちよさに目覚めました」

イタリアのヴェネツィア。スイスのチューリッヒにいるときに思い立ってイタリア系LCCを予約して行ってみた。

昨年、長年過ごした部屋から引っ越してからは、家でのひとり時間を充実させるべく、衣食住をコンパクトにして、クオリティを上げることに注力していると話します。それぞれ詳しく聞いてみましょう。

服を30着以下、靴は10足に断捨離

「引越しを機に断捨離をしました。クローゼットにパンパンに詰まっていた服は、ボトムス7着、ワンピース3着、アウター3着、カットソー類12着、セットアップ3着と、30着以下まで減らしました」

1シーズン5着くらいを着回していますが、組み合わせやすいアイテムを揃えているため、いつも同じ服を着ている感じはしないといいます。工夫しているのは洗濯を毎日すること。
溜め込むと面倒になるだけでなく、持っている枚数が少ないからこそ、メンテナンスを大事にしています。

「靴も以前は40足ありましたが、断捨離後は10足になりました。仕事用パンプスは値の張らないものばかりです。シーズンごとに在庫の状態を確認して必要なときに新陳代謝させています。オールシーズン使えるものを3~4足と、季節限定の靴も1~2足を用意。高級ブランドのいい靴は3足ほどあり、履くたびに蒸れを取って裏面まで拭いて、普段使いの靴とは別のところに置いた箱に収納しています」

ひとりで料理をしていると、癒やされる

仕事関係の食事会も少なくありませんが、できる限り自宅で食事をとっているユキさん。作り置きは平日と土日で週2回、「1時間でできるもの」と決めて、副菜を3~5品まとめて作ることにしています。

左上:ラタトゥイユ
左中央:切り干し大根サラダ(母が実家で食べさせてくれて美味しかったので。酢とマヨネーズ、塩コショウがベース)
左下:鶏胸肉とキノコのソテー(オリーブオイルと塩コショウベースで簡単に。味付けがシンプルだとリメイクが効く。会社に持っていくサンドイッチの具材にしたり、夕飯の汁ものにしたりして使用)
右上:ズッキーニと油揚げの炒めもの(Twitterで知ったレシピを再現)
右下:枝豆(お弁当の隙間を埋めたり、夜に小腹が減ったときにつまんだり)当日は炭水化物とたんぱく質を用意するのみ。

作り置きが充実しているので、バランスのとれた食事を短時間で準備できます。ユキさんにとってひとり時間での料理は、仕事とまったく違う脳と心を使う点で、セルフセラピー的な側面があるそう。

「20代半ばの頃、コンビニで買った弁当や惣菜しか食べない時期が半年ほどありました。朝4時に帰宅してほとんど寝ずに出勤して……とハードな時期で、とても太ったんですね。肌も荒れて、栄養も偏っているのでイライラしがちでした。最終的には自律神経失調症になって、10日ほど外に出られなくなるくらい体調を崩しました。そのとき考えたのは、『最近の私、ひとり時間がないなあ』ということ。働きすぎて家でゆっくりできる時間がほとんどなくて、心身が擦り切れてしまったときに、やっぱりひとり時間がないとダメだなと気付いたんです」

仕事は好きでずっと働き続けたいけれど、ひとり時間を堪能できる家づくりをしたい――心身を壊したのは、そう思い立つきっかけになったといいます。

ひとり時間を満喫する空間の保ちかた

衣食住の「住」の話をたずねると、家づくりで大事にしているのは、きれいな空間をキープすることだといいます。まとめて片付けるというアクションが不要になる、スッキリした状態を常に保っているそう。

「きれいな部屋を維持するコツは、よく言われていることですが、ものの所定位置を決めて元に戻すこと、ついでのアクションを大事にすることでしょうか。ものを減らすと衣食住すべての品質が上がると実感しています。
水回りは毎日掃除をしています。毎日するからひどい汚れが気になることもなく、使う度にきれいにするだけで十分です。キッチンやお風呂は排水口のフタを取って、汚れが見えやすい状態にしています」

ユキさんのひとり時間からは、自分の好きなものを上手に取り入れることで、社会に出て他者と関わるときに機嫌よくいるためのヒントが伝わってきました。
「女性のひとり時間」にフォーカスして、素敵な女性がひとり時間をどう過ごしているか取材したり、ひとりを楽しめるコンテンツやスポットを紹介したり、ひとり旅について取り上げたりする本連載【女ひとり上手】。
次回の第6回目では、ひとり時間をより楽しむための本をご紹介します。どうぞお楽しみに。


▽ ユキさん30代。the 中間管理職。将来の夢は隠居とポメラニアンブリーダー。孤独と自由と美味しいものときれいなものと面白いものを愛しています。
▽ Twitter:ユキ(@yukikrym)

▽ Twitter:ユキ(@yukikrym)

2019.09.11

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記事を書いたのはこの人

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Written by 池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子