一度は聞いたことある? 「陰陽」の法則の根本的なこと
「陰陽」という言葉を聞いたことがありますか? 影と光のようなイメージが強い陰陽ですが、東洋の考えである陰陽の法則はとても深いものです。この陰陽の法則は、地球上にとどまらず宇宙の法則として、理にかなったものなんですよ。
西洋と東洋の違い
西洋と東洋では、考え方に違いがあります。西洋では善と悪で世の中のことを考えていますが、東洋では陰と陽でものごとを考えています。そして、西洋では善は良いものとし、悪は悪いものととらえますが、東洋では陽も陰もどちらがよく、どちらが悪いとの考えもありません。
助け合っている
陰陽の法則では、対極するものが常に助け合っていると言われています。たとえば、光が差すところには影があり、光が陽なら、影は陰になります。それぞれ性質が異なり、対極するものが世の中に「存在する」と言うことになります。
性質の違い
陰と陽はそれぞれ性質が異なります。
陰:地 陽:天
陰:大きい 陽:小さい
陰:暗い 陽:明るい
陰:ゆっくり 陽:早い
陰:柔らか 陽:硬い
陰:女性 陽:男性
陰:精神 陽:肉体
陰:左 陽:右
ものごとはすべてこのように対極しているのです。
勾玉ができあがる
対極図の勾玉を知っていますか? 逆の性質のものがぐるぐるとまわることで、ひとつの円ができあがります。おたまじゃくしのような形をしていますが、その頭のような部分は、極陰、または極陽になり、しっぽのように細くなるにつれ反対側の性質を帯びてくることになります。
逆の性質も持ち合わせている
この対極の図でもある勾玉は、陰も陽もどちらも逆の性質を持ち合わせている、という意味になります。陰であっても陽の性質があり、陽も陰の性質がある、といったところ。男女の肉体であっても、男性にも女性ホルモンが存在するし、女性にも男性ホルモンが存在しますよね。
人間の体の陰陽
人間の陰陽は上に行くほどに陰、下に行くほどに陽となります。精神をつかさどる脳は陰で、陽の天に向かっています。生殖器に近い肉体は陽となり陰の地に向かっています。このことから、足ものは温かく、首から上は冷やす「頭寒足熱」による冷えとり法が生み出されています。
植物の陰陽
植物の種類によっても陰陽がわかれてきます。上に向かって伸びる植物は陰、下にもぐっている植物は陽になります。陰の植物は陽を求めるため太陽に向かって伸びます。逆に陽の植物は陰を求め土の中に根を深く伸ばします。
太陽のような花
タンポポなど表面に出てくる太陽のような花ですが、実は根が土の中の奥深くまで伸びる陽の花です。陰の性質を好むので、あまり高くまで伸びず、葉っぱは横に広がっていきます。
強そうな竹
高く伸びる竹などは陰の植物です。天高く伸びていきますが、根っこはそこまで深く生えません。同じ性質の陰である土を遠ざけるように高く伸びていき、根っこは浅く竹同士が密集して生えています。また、陽の性質を持つ炎と中和するので、燃えにくいのも特徴。
世の中すべてが陰陽
良い物、悪い物との区別ではなく、すべてが陰陽として成り立っていると考えると、善の中にも悪、悪の中にも善があるということになります。なにか悪いことがあっても、その中には必ず良いことがあるものと、ポジティブな考えを与えてくれます。