気をつけよう! ポジティブ思考のキケンな落とし穴

2015.09.29

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皆さんは自分の能力をフルに生かしていると実感していますか? そう問われると、すなおに「はい」と答えられない人もけっこう多いのでは? そのために世のなかには数多くの自己啓発書なるものがありますが、じつはそこに落とし穴があるかもしれないのです。

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ストレス社会の今の時代、自己啓発本ブームもいわば“流行”のひとつ。迷える現代人の心を鼓舞し、「もっと幸せに」とか「夢を叶えよう」など、とにかくポジティブに前向きに生きることばかりが強調されがちです。ですが、それが万人にあてはまるわけではない――と指摘しているのは、ライフコーチのサラ・アレクサンダーさん。そんなポジティブ崇拝に惑わされないで! というアドバイスは、私たちにとっても参考になりそうです。

「夢を追いかけるのは素晴らしいことだ」という幻想

ポジティブ信仰者はまず「夢」を持っていなければなりません。情熱をもってとり組み、なによりも最優先すべき「夢」。そのためには、成功している姿をビジュアル化(可視化)し、“必ず達成できる”と自分に常に言いきかせることが大切だと教わります。しかし果たしてほんとうにそうでしょうか。アタマで思い描く「夢」のために、今を楽しむことを忘れたり、自分の才能やスキルに不相応なレベルを目指して、逆にひどく落ちこんでしまったり、自分を否定的に捉えたり、経済的にも苦境に立ったりする――。そんな価値がほんとうにあるのでしょうか。
たしかに人生にやりがいは必要でしょう。でもつねに“目指すべきなにか”を追いかけることは、現状の自分に満足できず、ストレスをためてしまう原因にもなる可能性が高いと言えます。

“どんなことにも笑顔で応じ、周囲の期待にこたえよう”とする危険性

また多くの自己啓発本はこう訴えてきます。

“人生にイエス! どんなことにも「はい」と笑顔で応じ、周囲の期待にこたえるべきである”

一度決めた「夢」を叶えるためには、あとは行動あるのみ。成功を信じ、それに向かってどんなアクションでもおこせば、夢や成功に一歩ずつ近づくことができる……というのです。論理的にはとてもかっこよくきこえます。しかしどんなことにも「イエス!」と応じることが、いい結果を招くとは限りません。むしろ現実的には、みんなを喜ばせようとする結果、八方美人になりすぎて信頼を失ったり……。頼みごとをなんでも引き受けた結果、どれも中途半端になってしまいミスも増え、いいパフォーマンスを残せなかったり……ということのほうが多いのです。
とくに周囲の期待にこたえようと、過剰なまでの働きぶりをするのは、かえって“燃え尽き症候群”への第一歩。精神的にも追いつめられてしまっては、せっかくの努力や頑張りぶりも意味がありません。

ほんとうに自分が望んでいることはなにか、よーく見つめ直してみよう!

昨今はSNSで、きらびやかな活躍をしている人たちの生活がよく見えてしまい、なんとなく憧れを抱いてしまいがち。収入は低いより高い方がいい、女子ならやっぱり女磨きしているほうが価値がある――なんてステレオタイプで考えることも多いでしょう。でもそうやって表面的なことばかり見ていると、自分がほんとうに人生で望んでいるものはなにかということを見過ごしてしまうかもしれません。 みんながみんな、夢をもってキラキラ頑張らなくてもいいじゃないですか。“頑張らない生き方”の価値も見直す必要があると思います。

▽ 参考記事(海外サイト):How following your dream, being a 'yes' person and having a 5-year plan WON'T make you happy... expert reveals six pieces of self-help advice to ignore and how to really improve your life

2015.09.29

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記事を書いたのはこの人

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Written by Waxy

南半球オーストラリアから世の動きを眺めています。 ガーデニング好きで、イチゴ栽培が特にお気に入り。