妊活のキホン知識【後編その2】~妊娠しやすいカラダを作るための栄養素について~
【前編】では妊活前に心得ておきたいことについて、【中編】では気になるけど意外と知らない「不妊治療」の基礎知識について、【後編その1】では妊娠しやすいカラダを作るための食事ポイントとして「抗酸化力」の高い食材や油についてご紹介しました。
【後編その2】では、妊娠しやすいカラダを作るための栄養素について他にもいくつかご紹介したいと思います。
女性ホルモンのバランスを整えよう~大豆イソフラボン~
妊娠のためには生理周期を整え、排卵リズムを整えることがなにより不可欠。女性独特のカラダのリズムには女性ホルモンが深く関わっています。大豆に含まれる「大豆イソフラボン」は女性ホルモンの「エストロゲン(卵胞ホルモン)」に似た働きをすることで有名です。腸に「エクオール産生菌」という腸内細菌がいる場合はより効率的に大豆イソフラボンの栄養を吸収できるといわれています。生理の周期が乱れがち、PMS(月経前症候群)の症状がひどい、妊娠を望んでいる……という方は大豆製品を積極的に食事に取り入れましょう。
カラダを冷やさないために、豆乳や豆腐は加熱調理がおススメ。どうしても「冷奴で豆腐を食べたい!」という場合は、カラダを温めてくれる生姜と一緒に食べるといいですよ。
「血」を作り、子宮内環境を整えよう~鉄分~
妊娠のためには元気な卵子を育てることに加え、子宮内環境を整えておくことが非常に大切。なぜなら受精卵が子宮の壁にくっつき(着床)、そこからスクスクと育つことで妊娠が成立するからです。着床しやすくするためにはいくつかの条件があります。まずは子宮の壁にポリープなどの障害物がないこと。ポリープの数が多い、場所が悪い、大きいという場合は掻把手術(全身麻酔・日帰り手術)により取り除くケースがありますが、とくに問題がなければ手術はおこないません。ポリープは産婦人科の内診(エコー)で医師がある程度確認できるので、気になる人はかかりつけの医師に一度相談してみましょう。
次に、子宮の壁がふかふかであること。子宮の壁は血液です。野菜ばかり食べて肉や魚が極端に不足していると赤血球・鉄分が不足しやすく貧血気味に……。血液が足りていない状態が続くと子宮の壁はふかふかになりません。
鉄分のとり方
ほうれん草やプルーンなどにも植物性の鉄分が多く含まれていますが、カラダに吸収されやすいのは赤身の肉や魚に含まれる動物性の鉄分。妊娠を望む人は、しっかりと動物性の鉄分をとるように心掛けましょう。マクロビなど偏食傾向の人は注意が必要です。また、血流を滞らせてカラダのめぐりを悪くする「冷え」も妊活の大敵。寒い冬だけではなく、暑い真夏も足元やカラダを冷やさないように気を付けたいですね。
妊娠前からとるべき栄養素~葉酸~
「葉酸」はビタミンB群の一種で、胎児の「神経管閉鎖障害」の発症リスク低減が期待されているとても大切な栄養素。日本では2000年から厚生労働省が正式に葉酸の積極的な接種をよびかけています。葉酸は妊娠してから摂取をすすめられることが多いようですが、じつは妊娠前からとっておくべき栄養素。妊娠が判明する1~2か月頃には胎児はお腹の中で細胞分裂を繰り返し、急成長を遂げています。遅くても妊娠2~3か月前から葉酸を意識した食生活を送ることが理想的です。
葉酸を多く含む食材例
ほうれん草・小松菜・ブロッコリー・モロヘイヤ・いちご・うなぎ・納豆・レバー
葉酸は体内での蓄積性が低い栄養素のため、毎日摂取するのがおススメです!
いかがでしたか? 妊活の手段はさまざまですが、日々の食事はとても大切で妊娠しやすいカラダ作りには不可欠。食事が「お腹を満たすためだけのもの」ではなく「ココロもカラダも満たされるもの」になれば、自然と「妊娠しやすいカラダ」に近づくのかもしれません。パートナーとよりいい関係を保ちながら笑顔で楽しい食卓をかこみ、夫婦一緒に後悔のない「妊活」に取り組みたいですね!