気をつけて! 敬遠されがちな“プチナルシスト”症候群になってない?

2015.06.15

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ナルシストときくと、強烈な自己愛や自己陶酔にひたっている人――自分とはまったく関わりのない人だわ……。なんて思っていませんか? でもじつは最近、自意識過剰ぎみな“プチナルシスト”が増えていると言います。ナルシストほどではないにしろ、普段の言葉のはしばしや行動に「私のことをもっと見て!」というアピールが感じられる……。そんなひとびとのことを指します。自覚症状はなくても、そんな傾向になっているとしたら……注意が必要かもしれません。


“プチナルシスト”が増えるのは……

“プチナルシスト”たちが増えているのは、今やほとんどの人が利用していると言っても過言ではないほど普及したSNSと深い関係があると考えられます。SNSは便利なツールですが、その性質上ポジティブなイメージが多くなります。たいていの人は嫌なことがあって落ち込んでいる自分、クヨクヨと悩んでいる自分を世間に向かってアピールしたいとは思わないでしょう。そうなるとどうしても自分のいいイメージばかりをSNSで発信していきたい気分になります。「リア充」なる言葉もあるほどですが、深刻なケースになると「輝いている自分」をSNSで発信しているうちにどんどんウソが積み重なり、やがて本人までもがその架空の「リア充」ぶりを本当だと思い込むようになることもあるのです。つまり、それほど「SNSでいい自分を演出したい」という欲求は強いということ。そうなると、やがて自分のことをついつい過剰に評価してしまうのも自然な流れといえるでしょう。

“プチナルシスト”な人のもうひとつの特徴とは……

SNSのこともあり、自意識過剰なのが“プチナルシスト”のまず大きな特徴ですが、それに加えてもうひとつ見過ごせない性質があります。それは――、

「他人に興味がなく自分ばかり関心がある」

ということ。
そう、自分自身に関しては過剰なまでに意識しているのに、他人については興味が薄いんです。これって人間関係を築くうえでは致命的なことかもしれません。だって人は誰しも、知らない人に会ったとき「この人はどんな人なんだろう」と興味を持つことから、関係を築いていくものだからです。その肝心の入り口の時点で相手に対して興味が持てないのであれば、そこから深い関係を築いていくのはなかなか難しいのではないでしょうか。

他人とうまくコミュニケーションできないから、意識はますます自分に……

誰かと表面的にしか付き合えず、もっぱら関心は「いかに自分がよく見えるか」ということばかり……。そんな状態だと、意識はますます自分に向かっていき、“プチナルシスト”度は深まっていき悪循環に陥ってしまいます。そんなふうではなかなか本当の充実感や幸せは味わえないのではないでしょうか。また自意識が過剰になればなるほど、自分の欠点や嫌な部分が目につくのも事実。それをきっかけに自信を失ってしまったり、うつ気分になったり、揚げ句の果てに自分のことを嫌いになってしまうとしたら、なんとももったいないことです。

“プチナルシスト”症候群への処方箋。それはおそらく

「ありのままの自分でいいと受け入れること」

それに尽きると思います。他人からどう思われるか、ではなく自分がどう思うか。自分にとってもっとも快適な生き方を肯定できるか。自分なりのブレない軸のようなものがあればきっと“プチナルシスト”症候群には陥らないですむことでしょう。

2015.06.15

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記事を書いたのはこの人

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Written by Waxy

南半球オーストラリアから世の動きを眺めています。 ガーデニング好きで、イチゴ栽培が特にお気に入り。