1979年~1987年生まれの方は要注意! 将来子どもが欲しいなら、知っておきたい先天性風疹症候群のコト
ネットを見ていると「先天性風疹症候群の予防」という言葉をTwitterのリツイートで流れてきたり、Facebookでシェアされていたりしてたまに見かける機会があります。
先天性風疹症候群って?
風疹というと子供がかかる病気のイメージが強いですが、妊娠中に免疫のないお母さんがかかると胎児に重篤な障害が残ることが多いそうなんです。
産婦人科医が主人公であり妊娠、出産をテーマにした『コウノドリ』(鈴ノ木ユウ/講談社)という漫画でも取り上げられたことで話題になりました。
障害としては、白内障、先天性心疾患、難聴であるが、その他先天性緑内障、色素性網膜症、紫斑、脾腫、小頭症、精神発達遅滞、髄膜脳炎など。目や耳、心臓に障害が出てしまうものが代表的だとされています。厚生労働省のサイトによると、特に妊娠初期の胎児の体の器官が形成される時期に感染してしまうと、半数以上に障害が残ってしまうと言われています。
ここ数年で風疹が流行している
風疹は4~7年おきに流行を繰り返すと言われており、予防接種を受けていない空白の世代の妊娠、出産が増える時期になって先天性風疹症候群が問題になりました。ワクチンを受けていれば防げる障害なのに、毎年数十人の赤ちゃんが先天性風疹症候群で障害を持って産まれているのです。
そんな恐ろしい先天性風疹症候群ですが、予防接種を受けている世代と受けていない世代が混在しています。女性は年齡によっては学生時代に予防接種を受けています。しかし過去に一度感染していても、抗体が弱まっている場合もあるので検査をしておいた方が安心なのです。
しかも、患者の8割は男性と言われておりパートナーの男性から移ってしまう場合も多いと言えます。
1979年~1987年生まれの方は「空白世代」と呼ばれ予防接種を受けている人と受けていない人が入り混じっており、抗体を持っていないとパートナーの男性から感染することもあるので要注意です。
将来子どもが欲しいなら早めの検査、ワクチンを
とはいえ別にまだまだ結婚の予定もないし、子どもを持つかどうかも分からないからその時になったら考えればいい……と思うかもしれませんね。
風疹の予防接種は生ワクチンを使い、人工的に風疹に感染させて抗体を作らせるので、接種後2か月間は避妊をしなくてはいけません。人は切羽詰まらないとなかなか動かない生き物ですが、高齢出産になるような年齡で妊娠を希望しながら2,3か月待たなくてはいけなくなるとかなり時間がもったいないです。
無料で受けられるうちに検査を
将来子どもを希望するなら自費でも受けておいた方が安心な検査と予防接種ですが、実費でクリニックで払うと検査と予防接種で1~2万円かかるところも多いようです。これが区の補助で無料で受けられるのはお得ですよね。
自治体の補助の多くが2015年3月末までで終了するところが多いので、過去に風疹にかかった記憶がなかったり、予防接種を受けた形跡がないようであれば今のうちに検査を受けてみてはいかがでしょうか。
▽ 参考:
・風しんについて/厚生労働省
・先天性風疹症候群とは/国立感染症研究所