世界一幸せな国! ブータン人の幸せの秘密
ブータンはインドと中国の間にある南アジアの国。面積は九州と同じ程の大きさしかない小さな国ですが、近年「世界一幸せな国」として世界中から注目を集めています。そんなブータン人の考え方には、幸せに生きるヒントがいっぱい! そこで今回は幸福の王国、ブータン人の幸せの秘密をご紹介します。
国をあげて“幸せ”について考えている
ブータンを一躍有名にしたのは、“GNH(国民総幸福量)”という新しい価値観。今まで使われていた“GDP(国内総生産)”は主に国の経済力を測る指標ですが、GNHは国民全体の“幸せ”の度合いを示す尺度。国をあげて「物質的な豊かさと同じように、国民の心の豊かさを高める!」という目標を掲げています。たとえば、ブータンでは貧富の差に関わらず子ども達が教育が受けられるよう教育費はすべてタダ。病院、都市部を除く水道も無料です。
ここ10年国際化が進むブータンですが、それによって家族との時間が失われたり、伝統的な生活のスタイルが大きく崩れることがないよう急激な近代化は避けているんだとか。国民が物質的、精神的な幸せのバランスをうまく取れるように国がしっかりと考えてくれています。会社のためには残業は当たり前! 経済成長第一! なんて国民の生活を犠牲にしがちな日本にも見習ってほしいものです……。
自然と共に生きる
国土の70%以上は森林で、20%は万年雪で覆われているブータン。そんな自然溢れるブータンの人にとって身の回りの環境を守ることはとても大切なことのようです。2008年に施行された憲法では、なんと「国土の60%を森林として保全すること」を定めているんだとか。“便利さ”だけを追い求めず、自然と共に生きるスタイルが人々の幸せに一役買っているのかもしれません。
仏教的宗教観
ブータンの国教はチベット仏教。その教えはブータン人の考え方の中に深く根付いています。彼らはカルマを信じ、現世で得を積むことが来世を決めると考えています。輪廻転生の中で人間に生まれたことに感謝し、常に“今ある幸せ”にフォーカスする習慣を忘れないんだとか。日常生活の中でも常に自分の感情と向き合い、穏やかでいることを心がけているブータン人は人前で感情を露にして怒ることはほとんどないそうです。日々の忙しさに思わずイライラしてしまいがちな日本人には、見習うべきところがたくさんありそうですね。
よく寝る!
ブータンの国勢調査によれば、ブータン人の3分の2は少なくとも1日8時間の睡眠をとっているんだとか(ちなみに日本人の平均睡眠時間は6時間半くらいです……)。ブータン人は仕事をテキパキこなす! という国民性ではないにも関わらず、残業する習慣もないんだとか。仕事が終わっても終わっていなくても、定時にはすっぱり仕事を切り上げて家族と一緒に楽しくディナーは当たり前。家族と充実した時間を過ごした後は、朝までしっかり睡眠をとる。こんな生活に幸せを感じない方がおかしいかも?
羨ましいほどのスローライフ。全てをまねすることは難しいですが、“心の豊かさを求める”という価値観は、ぜひ私たちの生活にも取り入れてみたいですね。