人間関係に失望……でもそれは、あなたの理想を勝手に押し付けているからではありませんか?
みなさんはアドラー心理学をご存知でしょうか? ユングやフロイトは有名ですが、それに比べて、アドラーは少しマイナーな印象です。しかし、アドラー心理学をもとにした本を読みすすめていくうちに、あることに気づきました。人間関係の悩みや失望は、相手と自分を同一化してしまっていることに原因があるのではないだろうか、と……。そこで今回は、人間関係に失望する理由と解決法について書いてみました。
人間は無意識に相手に理想を押し付けてしまう傾向がある
対人関係の悩みは尽きません。上司がもっと優しければいいのに、友達のアドバイスがムカつく、恋人が自分のことを構ってくれない……。でもよくよく考えてみると、すべて自分が思っていることなのです。もしかしたら相手はあなたに優しく接したい、良いアドバイスを送りたい、もっと時間を作って一緒にいてあげたい、と思っているかもしれません。
ですが、どんなに相手がそのような気持ちであったとしても、言動を通してでしか伝わらないのです。そう思うと、自分で勝手に人間関係の悩みをでっち上げていると言えなくもないな、と思います。今、あなたが人間関係の悩みを抱えているのなら、相手に「こうして欲しい」という気持ちを捨て去ることで、随分楽になれるのではないでしょうか。理想通りの相手などこの世に存在しませんから、相手に理想を押し付けるのではなく、相手ができないことを自分が「気分が良くなるから」やる、というスタンスに変えていくことで、徐々に人間関係の悩みなど、くだらないことに思えてくるでしょう。
人の意見にも絶対はない
人は身近にいる人の意見に左右される傾向があります。あの人が「こういった」から、このような行動を起こした。それが良い意味での行動だったら問題ないでしょう。しかし、現実は悪い意味で行動を起こす人の割合の方がずっと高い気がします。そうなってしまうのは、いつの間にか、相手と自分の問題を混同してしまっていることに原因があると思うのです。自分も相手も、自分の中のフィルターを通してでしか物事を判断できません。だから、絶対に正しい意見など存在しないのです。また面倒なのが、相手の意見には、相手の問題や課題まで含まれているケースがあること。人の意見に耳を傾けるのは大切なことですが、ある程度他人は他人、自分は自分としっかりと境界線を引いたうえで、意見を聞いた方がいいかもしれません。その方が自分にとって、一番良い判断ができるはずですよ。
しっかりと自分の人生を生きる大事さ
今、生きづらさを感じているようなら、もしかしたらあなたは他人の人生を生きてしまっているのかもしれません。いい大学に進学し、一流企業に勤めているけど、実は心が満たされないなんて人、結構いると思います。その原因は、ひとつ。親や周囲の期待に応えた生き方をしてきた真面目な人だから。つまり他人の期待に応えるように生きるということは、自分を押し殺すことにもつながるのです。周囲の期待通りの人生が自分の生きたい人生であれば問題はありませんが、そうは上手くいかないでしょう。人間関係の悩みから脱して自分らしく生きるためには、自分の望みにだけ焦点をあてる必要があります。周りからどう思われても構わない、一度きりの人生を思う存分、自分らしく生きると決意してみてください。それだけでも目の前に広がる景色が変わってきますよ。