抵抗はあるけれど。「諦めると本当に大切なものが分かる」は真実だった

2014.04.07

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よく、「諦めも大事」という言葉を聞きますよね。筆者的には、とても抵抗のある言葉でした。諦めるなんてかっこ悪い。負けたみたいで嫌だと思っていました。
しかし実際に諦めてみると、この言葉は真実。諦めることで“ほんとうの自分”に向き合え、向き合ってからが“ほんとうの人生のスタート”だと気付きました。今では「諦めない方がかっこ悪い」と思っています。


こだわり続ける「見栄やプライド」の副作用

具体的に何を諦めるかといえば、“自分の見栄やプライド”。たとえば、「デキる社会人/モテる自分/完璧なママでいたい」「失敗した自分、ダメな自分、弱い自分は恥ずかしい」「自分が1番」なんて思いを抱えていませんか?
こういった意識には、以下のような副作用が潜んでいます。

・失敗が怖くて挑戦できない
・挫折やトラブルに弱い
・自分には合わない仕事や恋愛を追い続ける
・人に本音を見せることができない
・自分だけでなく、他人への不満が増える

物差しが世間一般的な“デキる、完璧、モテる”では、自分らしいもの(仕事や恋人など)を選択できません。“理想ばかり追い求める⇔とはいえ力及ばず”の無限ループで、苦しみを自分で呼び込んでいるようなものです。
同じく他人も上記の物差しではかるため、その人のほんとうの良さにも気付けません。他人にも優しくできず、不満が増えるばかりなのです。

「足が速い人」なら諦められるのに…

とはいえ、デキる自分にこだわりたい……こだわりが捨てきれない人は、次の例を考えてみましょう。
たとえば“足が速い”という長所は、努力だけでなく、生まれながらの素質・スタイル・走るのが好きな気持ち……なども関係しています。「足が速くなるのは私には無理」と、納得して諦める人も多いです。
これが、“仕事や結婚”だと諦められないのはなぜでしょうか? 「できないのは自分が悪い」と責めがちですが、ほんとうにそうでしょうか?
足が早いに限らず、“生まれ持った素質や気質”は人それぞれあります。それを見ずに、理想像ばかり追い求めている。こちらの方が、実はかっこ悪いと思いませんか。

「頭の声」より「心の声」と向き合おう

自分と向き合うためには、見栄やプライドという「頭の声」は一旦置き、「心の声」と向き合いましょう。たとえば「初めての人と話すのは気後れする。友達や恋人も、じっくり仲良くなれる人が好き」なら、新規開拓営業は向かないと分かるでしょう。
“違和感を覚えるもの、心の負担のあるもの”を取り除いていくこと。逆に“どんなに地味でも心の負担のないもの、自然とできること”は長所なので、ピックアップを。ただできる・できないだけでなく、こういった些細に思える心の声も大切にすることがポイントです。

いかがでしょうか。諦めれば、今ほんとうに自分がすべきこと、ほんとうに自分に大切なものが見えてきます。諦めるのは楽ではないですが、一旦諦めると、諦めない方がしんどかったと思うものですよ。

2014.04.07

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記事を書いたのはこの人

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Written by 宮野茉莉子

84年生まれの哲学ライター。東京女子大学哲学科卒業。野村證券を退職後、2011年よりライターへ。主に生き方や働き方について、哲学を交えた本質を探る記事を執筆。他、子育て、夫婦、FPとしてマネーなど、6媒体で執筆中。愛雑誌は『PRESIDENT』。現在一男児子育て中。 Facebook→https://www.facebook.com/miyano0928 blog→http://blog.livedoor.jp/miyano0928/