何でも深刻になればいいわけじゃない! 相手の負担を減らす話し方テク

2014.02.01

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深刻な話を、そのまま深刻に伝える人は多いですよね。たとえば後輩や子どものミスを怒ったり、恋人に言いづらい話を打ち明けたり……。「深刻な話は深刻に」が当たり前のようですが、相手の性格や話の内容によっては、その後立ち直れないくらいのダメージを与えてしまうこともあります。
同じ事実でも伝え方を工夫するだけで、落ち込み過ぎることなく、前向きなモチベーションを維持できるもの。実際に先日、筆者は抜歯難易度が最高レベルの親知らずあると分かりました。3人の歯医者さんに説明を聞いたのですが、説明の仕方も三者三様。そこでの例を元に、相手の負担を減らす話し方のテクをご紹介します。


入り口から順を追って説明する

最初からいきなり深刻ですと言われると、ショックも大きく、事実を受け入れるまでに時間がかかってしまいます。説明の順番としては、最初から順を追い、理由や根拠を丁寧に説明していくこと。そうすると深刻な話でも、受け入れやすくなります。

表現方法を使い分ける

事実の表現方法は、相手の性格や内容によって使い分けるといいでしょう。
今回の親知らず発覚で1人目の歯医者さんは、「難易度で言えば10段階で12の親知らず」と表現しました。その後違う先生には、「かなりいい位置にあるので(若干笑いながら)、大変だとは思いますが」という表現をされました。
そもそも親知らずについて、知識ゼロだった筆者。前者の説明も、重大さを正確に伝えるにはイメージしやすく、的確だと思います。ただし、筆者は考え過ぎるタイプ。その恐怖から、初めて就寝中の歯軋りが癖になるほどのストレスを感じました。
一方で後者の言い回しの場合、大変さが伝わる一方で、少し気が楽になります。抜歯に望む気持ちも、多少ですが前向きになります。

「多くの人が同じ経験をしている」という安心感を与える

1番効果的なのは、これでしょう。「こんな形の患者さんはよく見ています。その中でも大変ですが……」「私も学生の時に抜いているんですよね」などと言われることで、「自分だけじゃない」「誰もが通っている道なんだ」と思えました。
自分だけじゃないと思うと、安心するのが人間というものです。

ベストな行動を提案する

深刻な話を聞くと、人はしばしば「自分は一体どうしたらよいのだろう?」と脳内パニックに陥ります。そこで伝える側は、「どうするのがベストかを明確に、理由まで説明する」と良いでしょう。
「私の学生の時に抜いてかなり腫れましたが、若かったので回復は早かったです。このままではほかの歯がダメになるし、抜くなら早いほうがいいです」といわれることで、思考の路頭に迷わずすみました。

相手のためを考えている

「自分のことを考えてくれる」と思うと安心感もわきますし、相手の話に聞く耳を持ち、信頼しようと思うのが人間です。筆者も歯医者さんで「恐い気持ち分かります」「この体勢苦しくないですか?」と細かな気遣いをしてもらうことで、少し恐怖も救われました。相手の気持ちを気遣いながら伝えると、安心感や信頼をキープできます。

2014.02.01

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記事を書いたのはこの人

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Written by 宮野茉莉子

84年生まれの哲学ライター。東京女子大学哲学科卒業。野村證券を退職後、2011年よりライターへ。主に生き方や働き方について、哲学を交えた本質を探る記事を執筆。他、子育て、夫婦、FPとしてマネーなど、6媒体で執筆中。愛雑誌は『PRESIDENT』。現在一男児子育て中。 Facebook→https://www.facebook.com/miyano0928 blog→http://blog.livedoor.jp/miyano0928/