ちょっと気になる自宅出産の実態、海外ではどうなってるの?
出産という女子にとって人生最大の大仕事、できることなら慣れない病院よりも自宅で出産したいと願うのは自然なことだと思います。そんななか、まだまだ圧倒的に少数ながら、自宅出産を選ぶ人が海外でも増加中。なかには、その自宅での出産の一部始終を、プロのカメラマンに撮ってもらうツワモノまでいるから驚きです。
自宅出産のデメリットといえばやはりなんといっても安全性の問題。
通常、助産婦さんの介添えだけで医師がいません。妊娠後期に入っても、順調にいっている場合のみ自宅出産が許可されますが、お産の流れはそのときになってみないと分からないことがたくさん。緊急の事態に備えて、病院との連携も不可欠ですが万が一間に合わないと取り返しのつかないことにもなりかねません。
事実、オーストラリアでは自宅出産の良さを自らアピールしていた女性が、2度目の自宅出産後に急に容態が悪化し、数日後に死亡するという痛ましいケースが今年はじめにありました。
もちろん、こうした最悪の事態になるのは、確率的にとても低く、90年代以降今回がはじめてというくらいですから、いたずらに心配する必要はありませんが、しかしリスクはあるということを改めて認識させられます。
では、実際の自宅出産はどのように行われるのでしょか?南オーストラリアでファミリーフォトグラファーとして活躍しているビクトリア・ベレックメリーさんが、あるカップルの出産に立会い、その様子を写真におさめていろいろ教えてくれました。
まず産気づくと、助産婦さんとそのアシスタントが自宅を訪問。リビングルームになんと組み立て式プールのようなものを持ち込み、出産はそこに水を張って行います。妊婦さんはそのなかに座り、腰まで水につかった状態でそのときを待ちます。もちろん、サポーター役の旦那さんもつきっきりに。さらに、このカップルの子どもたち(小学校低学年くらいの男の子と女の子)も、この間ふつうにリビングを歩き回ったり、キッチンで食事をしたり、、。お母さんの陣痛が始まっても普通の様子、男の子もあくまで自然体でいます、末頼もしい。。
やがて、陣痛が激しくなってくると、ついには傍についていた旦那さんもプールの中にドボン。奥さんを後ろから抱え込むようにして支えます。これはもう“立会い”というより、このカップルの共同作業そのもののように見えてきます。
陣痛もピークに達すると、奥さんも汗だくに、そして、待ちに待った赤ちゃんの誕生の一瞬です。自宅のリビングで、夫に支えられ、子どもたちに見守られながらの出産は、かけがえのない体験となることでしょう。
また、こうしたある意味非常にプライベートな体験の一部始終を、プロのカメラマンに撮ってもらう、という勇気もかなりなものではないでしょうか。
自宅出産という選択肢、女性がもっともリラックスした環境で出産できる機会として、今後もっと普及していってほしいと願います。
ビクトリア・ベレックメリーさんのサイトでは、自宅出産の様子をアーティスティックに、感動的に捉えていて必見!
▽ Adelaide Home Birth Photography-A Mother’s Quest