大事なのは“叱り方”。親にも子どもにもベストな叱り方って?
正解のないのが育児。新米ママにとって子どもとの付き合い方は日々試行錯誤の繰り返しです。なかでも悩んでしまうのが叱ること。“叱らない育児”なんてのも話題になったりしていますが、大事なのは叱る、叱らない、ということよりも「どうやって叱るか」。つまり叱り方にあると言えます。
親にも子どもにもベストな叱り方って?
親にとっても子どもにとってもベストな叱り方とは、叱るシーンはなるべく少なく、親子ともにストレスを抱え込まないようなものだと思います。ママがいつもがみがみと叱りっぱなしでは子どもは委縮してしまう、とはいえ子どもがなにをしようと放置し放題でまったく叱らないというのも考えものです。では、いったいどんな叱り方がいいのでしょう?
ポイント1: 「これは絶対にダメ」という叱るポイントを絞る
「いつも子どもにがみがみ叱ってばかりいる」とお悩みのママは、じつはあれもダメ、これもダメとつい大人の基準で判断していないでしょうか。幼児はなにが悪いのか理解していなかったり、単純に「試してみたい」という気持ちで行動したりしてしまいます。
大人から見たらどうしてそんなことを……と思うようなことでも、子どもにとってはじつは貴重な経験や“実験”なのかもしれません。そんな好奇心があるのは決して悪いことではないのです。ですから親自身が、「これだけはやってほしくない、絶対ダメ」という叱るポイントを数個くらいに絞ってみましょう。よほど危険なことでないかぎり大目に見る、という気持ちがあると叱らない“許容ゾーン”も広がるはずですよ。
ポイント2: 叱るときはその場ですぐに。あとまわしにしない
子どもはとっさの思いつきで反射的に行動することが多く、それで親から叱られることもよくあります。そんなときはすぐにピンポイントで、「それはやってはダメ。だって○○でしょう」と叱ったり、教えてあげましょう。
そうしないと、子どもは今どうして叱られたのか、というのが理解できません。大人のように「あのときこうしたから叱られた」というふうにはまだ考えられないからです。「人目があるから……」などとあとまわしにしないよう気をつけましょう。
ポイント3: 「ダメ!」で済まさず、どうして叱られるのか、わかりやすく説明する
ただ頭ごなしに「それはダメ、何度も言っているでしょう!」なんて叱るばかりでは、親もイライラするばかり。これは子どもにとっても悪影響です。叱るときは、その原因となった行動がどんな影響をおよぼすか、どうしていけないことなのか、子どもにもわかるようにその因果関係をきちんと教えてあげましょう。
ちょっとめんどうくさいと思われるかもしれませんが、子どもにとって「なぜ叱られたのか」ということを理解することは大事だし、今後同じような行動をしないためにも必要なことです。たとえば……。
「それはうるさくて、ほかの人の迷惑になるからやめようね」
「今そんなことしたから、お友だちの○○ちゃんはびっくりして泣いてしまったよ。かわいそうだね」
大人にとっては言わずもがな、でもまだ幼い子どもたちは、自分の行動がどんなふうに影響をおよぼすのかよく理解できないし、善悪の判断もできません。だからこそ親がその状況をひとつひとつ言葉で表現し、教えてあげることが大事なのです。多少しつこいくらいでも、親がこのように説明するクセをつけましょう。それは今後子どもの表現力や国語力を伸ばすことにもつながります。
ポイント4: 叱ったあとは、たくさんスキンシップをして「愛してるよ」と伝える
なんのために叱るのか……といえば、それはもちろん子どもがかわいいから。ちゃんと一人前に育ってほしいと願うからこそ、親の愛で叱るのですよね。でも叱られる側の子どもにとっては、「ママが怖い、怒ってる。もう私のこと好きじゃないのかな」なんて思ってしまうこともあるんです。ですから叱ったあとは、「もう大丈夫だよね」とたくさんスキンシップで愛情を伝えるようにしましょう。叱りっぱなしでママがイライラしていたら、敏感な子どもは必ずそれを察知します。
そもそも愛しいからこそ叱るのだと、思いっきり抱きしめたり、くすぐったりして、「ママはあなたのことがこんなにも大好きだよ」と教えてあげてください。こうしたフォローがあれば、子どもはちゃんとわかってくれます。