子育ても各国さまざま。英国ナニーたちの暴露話がけっこうスゴイ!
イギリスの“ナニー”といえば、日本語では乳母とか子守りなどと訳されたりしますが、本来イギリスの上流家庭の子育てを全面的に預かる大事なプロフェッショナルで、幼い子どもたちをとても厳しく躾けるイメージがあります。ところが時代も進み、そんな古典的なナニーだけではなくなってきているようです。家政婦と同じく、顧客の家庭と深く関わるために、おもわぬプライバシーを垣間見てしまうことも。イギリスの現代のナニーたちの、暴露話がちょっと気になったので、ご紹介しましょう。
お金持ちでもかなり身勝手な顧客ファミリーに、イライラ……(Cさん、30歳)
雇用主である子どもたちの両親は、30代後半のカップルでデザインカンパニーを経営する実業家。子どもは2歳と6か月半とまだ幼いファミリーでした。大きな邸宅に6か月ほど住み込みでナニーとして働いていたのですが、父親も母親もかなり好き勝手にやる人たち。父親は奥さんが仕事で出張に出ると、愛人を邸宅に呼び寄せて、私に“妻には内緒にしておいて”と言うんです。奥さんのほうは奥さんのほうで、「私、子どもって嫌いなの」と打ち明け、なんと赤ちゃんをキッチンのシンクに放置したまま、携帯でお喋りしていたこともあると告白。子どもたちの祖母のうちへ行けば、そこでは奴隷扱いされて……子どもたちの世話をしつつ、掃除や片付けもしなければならなかったので、親には内緒で、テレビは自由に見せるようにしていました。そうでないと、とてもじゃないと仕事がすべて終わらないので……。
ヘルシーな食生活にこだわり過ぎている母親に対抗して……(Hさん、27歳)
とっても裕福な家庭で、子どもが3人(9歳、7歳、3歳)いるファミリーにナニーとして働いていました。母親がヘルシーな食生活に偏執しており、子どもたちが食べているのは玄米、野菜そして豆類ばかり。子どもたちはとても痩せていて、私はなんだか可哀相になりました。そこである日、母親がリッチなお友だちたちとお茶会へ出かけたとき、「特別にソーセージを食べていいわよ」と許可するのを聞いて、いい考えが浮かび上がりました。ここぞとばかりに、ジャンクフードを子どもたちに食べさせるのです。ソーセージを油で揚げ、付け合わせはヘルシーなベイクドポテトではなく、もちろんフライドチップスに。トマトケチャップを盛大につけ、最後の仕上げはアイスクリーム! 子どもたちは目を丸くして、信じられないという様子で食べていました。母親が家に帰って来てから、3歳の子がどんなにおいしいものを食べたか、一生懸命話そうとしたのですが、母親のほうはまるで聞いていませんでした。それ以降、なにかの機会があるたびに子どもたちにジャンクなものを与えて、マクドナルドにも連れて行きました。罪悪感はまったくありません、母親は相変わらずなにも変わらないようですし……。
ナニーという仕事
ナニーも住み込みともなれば、かなり家庭の事情を垣間見てしまうことになるので、恐ろしいものです。それに24時間ほぼ休みなく、子どもの面倒をみなければならないというのは、かなりの重労働……。にもかかわらず“奴隷”のように扱われることもよくあるようです。でもまったく悪いことばかりでもありません。住み込みというおかげで、ものすごい豪邸に暮らすことができ、家族が海外旅行などに出かけるときは、もちろん一緒についていきます。しかしこれ以外の例でも共通していることがあります。住み込みでナニーを雇えるというのは相当に裕福な人たちなのですが、ナニーを雇ってしまえばもう自分たちは子育てとは関係ないと言わんばかりの態度。父親は仕事や愛人に夢中、母親はファッションや社交に忙しく、自分たちの子どもには無関心というケースが実に多いみたい。スカーレット・ヨハンソンの主演映画『ナニー・ダイヤリーズ(邦題 私がクマにキレた理由(ワケ))』は、けっして大げさな作り話ではないことに気づかされます。海外の育児事情に興味のある方は、ぜひ一度ご覧になってみて下さい!