“前のめり育児”に陥らないために覚えておきたいこと
「モンスターペアレント」という言葉がありあますが、わが子を愛するあまりついつい行き過ぎた行動に出てしまう親は後を絶ちません。彼らを突き動かしているのは、“わが子が大事”という強い思い。それ自体は悪いことではないのですが、そうした親の行動が結果的に子どもの健全な成長を阻んでいることも多いというも忘れてはいけません。
わが子を思うあまり、つい“前のめり”な行動をとらないためにも覚えておきたいことをまとめてみました。ほんとうに子どもの成長を願うなら、あえて“一歩下がる”ことも時には必要だということを忘れないようにしましょう。
子ども同士のケンカは、子ども同士で決着させる
子ども同士のケンカで、かわいいわが子が傷つきそうになると思わず間に入ってしまう……そんなことがきっとよくあると思います。しかしそうやっていつまでも親に保護されていては、子どもは他人との付き合い方、揉め事やケンカになったときの対応、そしてケンカで傷ついてから立ち直る方法というのを学ぶ機会を失ってしまいます。そうした学びの経験は、なるべく早い頃からのほうが子ども本人のため。ですから、子どもがケンカしていても、親は口出しせず、子ども同士で決着させるようにするべきです。
“褒め殺し”は止めよう
“褒めて、伸ばす”という子どものポジティブな部分にフォーカスした育て方が正しいように言われ、また人気もあるようですが思わぬ弊害もあります。それは、あまりにも親から“褒め言葉”のシャワーを浴びせられて育った子どもは、“なんでも評価されて当然”と思うようになり、少しの失敗やミスでつまづいたとき、もう褒めてもらえないんだと感じて必要以上に自信を喪失させてしまうことがあるのです。もちろん、子どもが何か達成したときは認め、褒めてあげましょう、ただし褒めすぎや過剰な称賛はいけません。客観的に自分の子どもを見つける冷静さを失っては、ほんとうのバカ親になってしまうだけです。
宿題や忘れ物、なんでも助け舟を出そうとしない
宿題はみてやるというより、ほとんど親が代行、そして忘れ物があれば学校まですぐに届ける、そんなサービス精神一杯の親もいますが、果たしてそれがほんとうにわが子のためになっていると言えるでしょうか。答えはそうとは言えません。小さいときから何でも親がすぐに助け舟を出してくれる環境で育つと、子どもはそれを頼りにし、依存心を増幅させます。やがて大きくなり、もはや親が手出しするような場合でもないのに、親からサポートが得られないと、むしろ親を逆恨みするようなことも……。これでは親にとっても、子どもにとって不幸なだけです。あえて子どもに失敗体験をさせる、おもいっきり恥ずかしい思いをさせる、そういったことも時には必要です。それに失敗や顔から火が出るほど恥ずかしい体験、そういったことからのほうが人はたくさんのことを学び、将来に活かそうとするはずです。短期的には親として心が痛んでも、長い目で見ればそんな経験こそが子どもを育てることを忘れないようにしましょう。