「親の自立=何でも1人でできるママ」ではない! 今の時代の親の自立とは

2014.06.11

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“自立した親”というと、どんな親をイメージしますか? ママなら育児や子どもの教育をはじめ、手料理、行き届いた掃除、衛生管理……仕事まで、“何でも1人でこなせるママ”でしょうか。なかには 「1人で育児や家事を両立できない自分はママ失格……」なんて落ち込む人もいるでしょう。
ところが先日、子育て支援研修に参加してきた筆者は、“親の自立は何でも1人でこなすことではない”と学びました。今の時代の、ほんとうの自立した親の条件をご紹介します。


「1人でできる」――その気負いがママと子の心を蝕む

「子育ても両立も自分1人でできる」と思い込む女性は多いです。たしかにそれまで、仕事・家事・趣味と“何でも思い通りに1人でしっかりこなしてきた”女子は少なくないでしょう。しかし“人を育てる”子育ては、今までやってきたものとは全くの別物です。
人間が常識のある大人に育つまでには、さまざまな“非常識”を繰り返す必要があります。グズリやギャン泣き、危険なことやマナー違反でも手を出す、感情のままに暴れるなど……子どもの思うまま(=大人から見れば非常識、理解できない行動)を積み重ねることで、子どもは親の愛情を実感したり、精神的に安定したり、感情のコントロール法を学ぶなど、人格形成に繋がります。
それでも昔は大勢の子育てだったので、子どもの思うままの行動にも、大人はストレスなく対応できました。ところが今は“ママの孤育て”時代。ママ1人で(産後は体もホルモンも安定せず、その後も家事や仕事と両立しながら24時間365日)子どもと向き合うのは、莫大なストレスが溜まります。
このストレスが、本人も気付かぬ間にママの産後ウツや育児ノイローゼを、子どもの精神的不安定や欲求不満の原因となってしまうのです。

「今の時代の親の自立=外に助けを借りられる力を持つ」

大勢で子育てをできない今の時代、ほんとうに自立した親とは、“外に助けを借りられる力を持つ”人のことを言います。
「子育ては1人で全部できない」現実を知った上で、適宜な一時保育や保育園の利用をし、休日は夫や祖父母の手を借りること。支援センターなどに出向き、ほかのママと話すことで苦労の共有・発散すること。行き詰まったら専門家(子育ての悩みなら市や民間の保健師さんなど)に相談すること。両立が大変なら、食洗機やお惣菜などに頼ること。
言い換えれば、“子どもの負担にならないよう、自分のストレスコントロールができる”人ですね。
「人に頼むなんてプライドが許さない、恥ずかしい」と思ってしまう人、また上の世代の「手作りが1番」「ママが神」という目が気になってしまうこともあるでしょう。それでも“自己管理”“子どものため”という視点で、外部に頼る勇気を持ってみましょう。

2014.06.11

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記事を書いたのはこの人

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Written by 宮野茉莉子

84年生まれの哲学ライター。東京女子大学哲学科卒業。野村證券を退職後、2011年よりライターへ。主に生き方や働き方について、哲学を交えた本質を探る記事を執筆。他、子育て、夫婦、FPとしてマネーなど、6媒体で執筆中。愛雑誌は『PRESIDENT』。現在一男児子育て中。 Facebook→https://www.facebook.com/miyano0928 blog→http://blog.livedoor.jp/miyano0928/