ママの「私さえ我慢すれば」は子どもに我慢を強いているのと同じ理由2つ

2014.06.20

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育児の悩みに、仕事と育児の両立の疲れ、夫の言葉の暴力……女性にとって「結婚は我慢を超えて忍耐」と言いますが、「私さえ我慢すればいいから」と全てを抱え込む女性は少なくありません。
実はママの我慢は、ママだけのものではありません。「私さえ」と思っていても、同じ我慢を子どもに強いていることになるのです。その理由を2つご紹介します。


「我慢しているママ」と一緒にいることが我慢

一度冷静に、「我慢している自分」を客観的に見てみましょう。我慢しているときに、鏡を見るのもオススメです。
眉間にシワが寄り、口角は下がり、不機嫌でぶすくった表情。態度もトゲトゲしており、行動も乱雑で、言葉使いも荒い。「何で私がこんな我慢をしなければいけないの」と自分のことで頭はいっぱいで、子どものささいな変化にも気付きません。
そんなママと一緒にいる子どもとしては、窮屈で息苦しいもの。常にあなたの顔色をうかがっては、ビクビクします。言いたいことを言うのも、とまどうでしょう。そう、我慢は「一緒にいる相手をも我慢させる」のです。たとえあなたが笑顔の仮面をつけていても、我慢している気持ちは出てしまいます。
逆にあなた自身は、我慢している自分と一緒にいたいですか? 私は我慢している自分と、一緒にいたくありません。子どもという立場なら尚更、辛いと思います。

家庭内では子どもも我慢せざるを得ない

もう一つ、家庭においては「ママの我慢=子どもの我慢」にならざるを得ません。ママが家事をする分が増えるほど、子どもはママと一緒の時間が減るように、必ず子どもにも負担はきます。
わかりやすい例が、夫の言葉の暴力。「言われているのは私だけだし、私さえ我慢すれば特に問題ないから。離婚だけはできないから我慢しよう」とママは思います。
しかし子どもはママが大好きで、自分の分身のように思っています。傷付けられているママを見ながら、同じように子どもも傷付けられているのです。また、言いたいことを言わずに我慢しているママを見て、「自分も言いたいことを言ったらパパに嫌われる。ママのように我慢しなければいけない」と思います。
知らないうちに、自分の我慢が子どもにも我慢を強いているのですね。こう育つと、精神的に不安定になりやすいでしょう。

結婚は日常――我慢しなくていい

結婚は日常。50年、60年と続くものです。無理をすればいずれ問題が起きるのは、明白ですよね。
もちろん我慢しなくてすむ状況までに到るには、数々の試練はあります。協力を仰いでも聞く耳をもたない夫を、嫌になったり、度々のケンカもあるでしょう。
それでも子どものために、我慢しない方法を考えましょう。嫌なら嫌だと、できないならできないと言って良いのです。お互いが言いたいことを言い合い、ぶつかりながらも軌道修正していく。そんなママとパパを見て、子どもも「言いたいことを言おう」「考えが違っても話せばいい。諦めないぞ」「世の中はいいものだ」と思うものです。

2014.06.20

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記事を書いたのはこの人

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Written by 宮野茉莉子

84年生まれの哲学ライター。東京女子大学哲学科卒業。野村證券を退職後、2011年よりライターへ。主に生き方や働き方について、哲学を交えた本質を探る記事を執筆。他、子育て、夫婦、FPとしてマネーなど、6媒体で執筆中。愛雑誌は『PRESIDENT』。現在一男児子育て中。 Facebook→https://www.facebook.com/miyano0928 blog→http://blog.livedoor.jp/miyano0928/