“男の子はピンク、女の子はブルー”!? 1世紀前のジェンダー意識が教えてくれること

2014.05.28

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友だちの出産祝いでベビーグッズを見に行って、女の子ならなんでもピンク、男の子ならブルーづくしな商品陳列にふと疑問を感じることはありませんか?
「男の子がピンクを着て、女の子がブルーを着て、なにが悪いんだろう……。どちらでもかわいいのに……。」
ファッションにそんなルール存在しないわと、強く言い切れる人ならいいですが、たいていの人はこのいわば暗黙のルールに従っています。ちなみに筆者の住むオーストラリアでは、

「男の子にピンクを着せると、ゲイになるから絶対止めろ」

という迷信(?)にこだわっている人もいるそうです(年配の方に多いようですが……)。


第一次世界大戦以前のイギリスでは…逆??

ところが人間なにごとも疑ってみることが大切です。イギリスの教育エキスパート、ハンナ・ウェッブスターさんによれば第一次世界大戦以前のイギリスでは、女の子にはブルー、男の子にはピンクというのが定番カラーだったといいます。今とは完全に真逆ですね。
女の子にブルーというのは、聖母マリアのイメージであり、ヨーロッパの絵画に描かれる聖母マリアはブルーの衣を纏っています。ディズニー映画でもシンデレラのドレスは淡いブルーになっていますよね。
ハンナ・ウェッブスターさんは、小さいときから性別で色分けをする風潮は、子どもの成長にとってはステレオタイプに当てはめるだけで有害であると指摘しています。人は生まれながらの個性や性質を持っており、単純に性別だけで“かくあるべし”という理想像を押しつけられるべきではありません。それは洋服、持ち物のカラーについても同じです。青が好きな女の子がいてもいいし、ピンクが好きな男の子だってキワモノ扱いされる必要はありません。

性差は色だけじゃない

色に限らず、私たちの社会はいまだにジェンダー(性差)をあまりにもステレオタイプ的にみていることがあります。玩具だって、女の子ならキッチンセットや赤ちゃんのお人形、男の子ならまず電車セットやミニカー、そして戦隊モノが定番。でもそんなにはっきりと区別する意味が、そして必要があるのでしょうか??
海外ではおもちゃや子ども用品でも“ジェンダー・ニュートラル”(性差を意識させないこと)がみられるようになってきています。女の子が戦隊モノの武器で遊んだり、男の子が赤ちゃん人形のお世話をしたり……。そんな“ジェンダー・ニュートラル”がもっとすすめば、男性の家事負担や育児参加も自然と増えていくと思えます。

“男の子はピンク、女の子はブルー”というイギリスの1世紀前のジェンダー意識は、そんなステレオタイプは時代と共にどんどん変わっていくよ、ということを私たちに語っているのではないでしょうか。

参考記事(海外サイト):Making girls wear pink is WRONG: Education expert says colour-coding children by gender is damaging

2014.05.28

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記事を書いたのはこの人

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Written by Waxy

南半球オーストラリアから世の動きを眺めています。 ガーデニング好きで、イチゴ栽培が特にお気に入り。