母性は「神話」 ~本当の母性は5段階で築かれる~(2)
前回の「妊娠が『産む覚悟』を作る」、「産後すぐのホルモンが『絶対的な愛情』を呼ぶ」、「産後3ヶ月のお世話ラッシュが『赤ちゃんと向き合う覚悟や土台』を作る」に引き続き、残り2つをご紹介します。
日常のお世話が「動物的な母親感」を呼ぶ
日常のお世話は、成長と共に移り変わります。食事だけでも、おっぱいやミルク→全介助→手掴み→スプーン・フォーク→お箸へ。ほかにも歩行、着替え、トイレなど、全てママ→全て子供がやるまでの教え、成長を目にすることで、母親感はグングン高まります。
ここで母親感は75%。これは「生きるために必要なこと」なので、動物的な母親感といえるでしょう。
しつけが「人間的な母親感」を呼ぶ
最後の決め手は、2歳からの第1次反抗期。「こうしたい」という欲求や主張、個性も出て、肉体と共に精神的にも自立します。同時に、人との関わり方や公共マナーのしつけもする大変さがあります(まだ理解は難しい年齢のため)。
子どもの意志や希望を確認できるようになり、人間的な付き合いができることで母親感も100%できあがります。
5段階形式の母性も「普通」では?
このように筆者の場合は、「妊娠、ホルモン、お世話ラッシュ、日常のお世話、しつけ」を経ることで、徐々に母性やママになったと感じました。もちろんこれは一個人の経験談で、「これが普通」とはいえないかもしれません。ただ、「これも普通」ではないでしょうか?
たしかに元から子ども好きな女性もいますが、それは大多数ではなく、実感としてはむしろ少数に感じます。それでも段階を踏み、日常的に赤ちゃんに向き合っていれば、ママになれます。母性は元から身についているというより、1日1日築き上げられていくものでしょう。
「常に100%母性」も神話
また、「母親なら常に100%の愛情を赤ちゃんに注げる」という風潮もあります。しかし常に100%なんて、もはや人間ではありませんよね。人間ですから睡眠不足で疲れたり、忙しいと焦って心の余裕がなくなったり、女ですから月経前症候群でイライラもします。
たしかに2番のホルモンで見たような、絶対的な愛情は根底にあります。でも常に100%完璧ではいられません。「これも普通」でしょう。
以上経験して思うのは、「母性神話に踊らされることなはない」ということ。産前の女性は自分と向き合い、産後のママは赤ちゃんと向き合うことができれば、「案ずるより産むが易し」という言葉通りさほど心配はないでしょう。
逆に「女なのに」、「ママ失格?」と、不安やプレッシャーに押し潰されると危険ではあります。世間や世間体とばかり向かい合い、当事者の赤ちゃんと向き合えないので、鬱やノイローゼになりやすいでしょう。母性神話は、気にしない方が自分も赤ちゃんも守れます。