母性は「神話」 ~本当の母性は5段階で築かれる~(1)
世間では「女なら生まれつき子どもが好きで、普通に育てられて当たり前だ」という風潮があります。一方で子どもを持つ前から、「子どもを可愛く思えないかもしれない」と悩む女性の話をよく聞きます。現在3歳になる子を育てている筆者は、自身の経験を元に後者でも「普通」だと思います。
筆者自身も、産前の赤ちゃんや子どもを見ての感想は「不思議」のみでした。それが産後は一点子ども好きに。その過程で感じたのは、「母性は元からあるものではなく、5つの段階を踏んで築かれるもの」ということでした。
5つの段階を踏んで100%ママになれた
子猫など小さな動物を見ては可愛いと思っても、赤ちゃんに対しては「何を考えてるのだろう?」、「どう関わればいいの?」と思っていた筆者。3年経ってようやく、100%自分をママだと思えるようになりました。ここまでくるには、以下の5段階がありました。
1,妊娠が「産む覚悟」を作る
筆者の場合、妊娠発覚のエコー写真を見て、不安や出産への恐怖も消えて「子供を産もう」と肝が座りました。ただの小さな丸でしたが、何故か「この子はすごい頑張ってる、生きたいんだ」と感じたのです(これは人によって違い、体の変化や胎動で徐々に感じる人も多いようです)。
強い胎動に時折愛おしくは思いましたが、まだ母性といわれるものは出ていません。
2,産後すぐのホルモンが「絶対的な愛情」を呼ぶ
産後、何よりもビックリしたのが「赤ちゃんの可愛さ」です。実際の見た目は、まるで大仏。でもそんなことは関係なく、ただ何よりも可愛いのです。一気に「自分より子どもの命が大事、何よりも子どもを守る」という、絶対的な愛情が確立されます。これはホルモンのなせる技でしょう。以降動物的な激しさは衰えるもの、この愛情は根底で軸となります。
これが母性といわれる基本でしょう。ただこの時点でも「母親感」(自分は母親だという自覚)は5%。感想も「やっと陣痛終わった。母子共に健康で良かった」という安堵の方が先です。この愛情だけでは、母親にはなれません。
3,産後3ヶ月のお世話ラッシュが「赤ちゃんと向き合う覚悟や土台」を作る
産後3ヶ月頃までの、深夜も明け方も構わないお世話ラッシュ。オシャレや自分の時間や外出はおろか、満足に眠ったり食事を楽しむなど三大欲求さえ叶わず、全て赤ちゃんペースになります。
後から思うと、ここをやり抜くことで「ママとしての覚悟や土台」ができたように感じます。まず物理的に全て赤ちゃんと向き合うことで、精神的にママになる覚悟や土台ができるのですね。実際の育児は、物理面以上に精神面が大変で、精神力勝負です(特に第1次、第2時反抗期)。
ただこの時期も、母親感は40%くらい。筆者は小さい頃からずっと猫を飼っていたので、失礼ですが子猫を育てているみたいでした。
残り2つは後半ででご紹介します。