幼児の運動能力は遊びで伸びる!伸ばす為の環境づくりとは?
子供の習い事ランキングで常に上位にランキングしているスイミング、最近ジワジワと人気を広げている体操教室等、子供の運動能力を伸ばす為にその努力を惜しまないのが親ですよね。
勉強はできなくとも、“運動くらいは!”と昔から言われてきました。その為には小さい頃から習わせれば必然的に運動ができる子になると思われがちですが、どうもその考えは間違いかもしれません。
習わせるより遊ばせろ!
幼児期には特定の運動を教わるよりも、自由に体を動かして遊ぶ方が運動能力が高いという興味深いデータがあります。
スポーツ心理学者である杉原隆東京学芸大学名誉教授らが2008年に全国65カ所の幼稚園で、派遣講師やクラス担任らが指導する体操、水泳、マット等の運動をする頻度と幼児の運動能力を調べたところ、指導は行わずに砂場、ブランコ、ボール遊び等外で活発に自由に遊ぶ園の運動能力の方が高いという結果がでました。(参照元:子どもの運動能力を高めるには・・・ NHK生活情報ブログ)
皆におなじことをやらせる一斉指導ではなく、好きな事を自発的にやりながら様々なことを学ぶ方が意欲が育ち、結果的に運動能力を伸ばすのだといいます。また特定の運動指導は子供の動きを偏らせてしまう結果にもなるのだとか。子供の自発性を促しながら自由に遊ばせるという一番お金のかからない、ありがたい方法が幼児期には最も良い方法だとわかり、ホッと胸をなでおろした方も多いのでは?
少々のやんちゃやおてんばは大目に見て、自由に遊ばせてあげることが結果として子供の運動能力の基盤をつくるのかもしれません。
どのように遊ばせるか?環境はどのように整えるか?
遊ばせることが運動能力を伸ばす事につながるとわかったところで、具体的にどのように遊ばせ、環境を整えればいいのでしょうか。近年少子化や住宅事情により集団で遊ぶ機会が減少し、より体の動かし方を十分に会得できない子供が増加傾向にあるといいます。このため文部省は3~6歳を対象にした運動指針を策定し、子供の発達段階に応じてどのような運動をさせ、どんな能力を身につけさせたらいいのか目安を示しています。
① 3~4歳ごろ→「体のバランスをとる動き」「体を移動する動き」を経験させる
滑り台、ブランコ、鉄棒等の遊具やマットでの運動
② 4~5歳ごろ→「用具等を操作する動き」を経験させる
縄跳び、ボール遊びでの運動
③ 5~6歳ごろ→上記3つの動きをより滑らかにできるように経験させる
鬼遊び等のルールを決めた運動
また、「毎日60分以上」遊びによって体を動かすことが大切で、これは運動能力の向上だけではなく、コミュニケーション能力の育成にも重要な役割を果たしてくれるといいます。
大人達はついつい楽をしようとテレビやDVD、はたまたスマートフォンやタブレット等を与えてしまいがちですが、今一度子供が体を動かして遊ぶことの重要性を認識する必要があるといえそうです。