日本は「少子化」ではなく「総子化」?!「親と子と孫」をターゲットにしたレジャーやサービスが増えている
少子高齢化!と叫ばれている日本ですが、「実はこの国の子どもの数は増えている!」という見方があります。これは博報堂生活総合研究所がまとめた『生活動力2013』による見方で、これを「総子化」現象と呼びます。この「総子化」が今日本の消費行動を大きく変えているといいます。親と子、そして孫に渡る三世代をターゲットにしたレジャーやサービスが続々と登場しているようです。
「総子化」とはどんな状態のこと?
未成年の子どもは確かに減少しています。しかし、親が存命な20歳以上の人の数は平均寿命の伸びにより、総人口の50%に達しています。これらの人を「成人子供」と呼び、純粋な子どもと分けて考えます。そしてこの「成人子供」に純粋な子供を足すと総人口の約7割が広義の「子供」となります。これを「総子化」と呼んでいるのです。
「総子化」がもたらす私たちの生活変化とは?
2010年には32.8歳、2030年には36.7歳にまで平均年齢が上がるという「成人子供」。40歳でもまだ子供という状況が平均的な時代が来ます。必然的に親子が共に生きる期間も昔より格段に長くなります。長く共に過ごすのであれば、いがみ合って生きるよりも共に協力し合おうと考える人々が多くなり、“ゆるやかな大家族”が増えてきているといいます。
これは同居しないまでも、親の近くに住んだり、共に誕生日や記念日をお祝いしたり、親世代まで考えたミニバンが売れたり、一族が共に助け合い、日々の生活を充実させようとする動きのことです。そして最も象徴的なのが、親と子、そして孫、までを対象としたレジャーやサービスが人気を博しているということです。
キーワードは「三世代」!皆が一度に楽しめるレジャー&サービス
上記の理由の他に、長引く不況下、子世代のみの経済力では楽しめるレジャーが減ってきたことも、親と子でのレジャーやサービス利用に一役買っているようです。スポンサーを探している子供と、孫にお金を使いたい親、そんな双方の願いを叶えるのが親、子、孫と三世代が楽しめるレジャー&サービスです。
①“みんなの三世代ディズニー”を掲げる東京ディズニーリゾート
レジャーの大定番であるディズニーランドも「三世代」を合い言葉に、オフィシャルホテルに宿泊するプラン等、人気を集めているそうです。去年は不況下にも関わらず、過去最高益をあげたパーク。その背景には親世代も取り込んだパークの運営作りも関係しているのかもしれません。公式サイトにも親世代の楽しみ方が数多くとりあげられています。
②まさに三世代のテーマパーク!みろくの里
三世代のテーマパークとして検索結果でも上位に表示される、広島県の三世代融合施設。子、孫世代向けの遊園地と親世代向けの昭和30年代を再現した街並み、そして共通に楽しめる温泉、宿泊施設が融合したまさに理想的なレジャー施設となっています。
少子高齢化はマイナスイメージばかりがつきまといますが、一方で親、子、孫にまで渡る家族のつながりが強くなってきているという良い面も生み出しました。マイナス面にばかり目を向けずにプラスの側面を見て前向きに考えれば、少子化も食い止められる結果になるかもしれませんね。
参考:博報堂生活総合研究所、『生活動力2013』を発表 2013年に向けた提言テーマは「総子化 ~そうしか」
参考:
“ゆるやかな大家族”が増えていく(PDF)