御年90歳…! 図太すぎるおばあちゃんから得た強く生きるヒント

2021.08.07

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筆者の90歳の祖母「ちいかあちゃん」が元気なのは、「あの」ちいかあちゃんだからかなと思うことがしばしば。その神経ときたら、テナガザル100匹が手をつないで作る円の直径より図太いかと。
彼女の生き方を手放しに押しつけるわけにはいかないのですが、その人柄から、強く生きるヒントを得られるのでは?


愉快に

・「常に留守番電話にしていた筆者の実家に、ちいかあちゃんが電話をかけ、『ただいま留守にしています』とアナウンスが。それを聞いたちいかあちゃんは、『おめぇどこの女だ! 勝手に他人の家にあがって何してんだ! 留守にしていますって、おめぇがいるじゃねぇか!』と、電話のアナウンスを不法侵入した女性の声と勘違いして激怒したのです」(筆者体験談)

▽ うむ、諸々ツッコみ終えたら聞いてください。「我慢をしないこと」。
ちいかあちゃんの怒りエピソードはなかなか多く、そのことからも、我慢せずに感情を出していると思えます。ちいかあちゃんの直球の伝え方は、多くの場合やりすぎと思いますが、我慢せず自分の感情と向き合うことは大切です。もちろん、冷静さは欠かさずに。でないと、ちいかあちゃんのようにカラオケ教室を出禁になってしまいます(理由は不明ですが、冷静でない言動をとったのかと)。
実は人一倍心配性ですし、ひとり暮らしの頃は毎晩寂しくて泣いていると言っていたちいかあちゃん。図太いからといって寂しさがないわけではないようですが、このようにちいかあちゃんは、弱さも隠さず周りに見せている気がするのです。合う合わないなどあるかもしれませんが、人に弱さを見せると救われることもあるのでは?

ポジティブに

・「筆者の実家の猫が、ちいかあちゃんが寝ている部屋へ入っていったとき。明らかに猫はちいかあちゃんを警戒していましたが、ちいかあちゃん本人は『心配してくれてるんだ』とポジティブに受け取っていました」(筆者体験談)

・「叔父(ちいかあちゃんの次男)の遺品整理中、父が叔父の服をどうするか、ちいかあちゃんに聞きました。ちいかあちゃんのことだから『絶対捨てない』と言うと思っていた父でしたが、ちいかあちゃんは『気持ちわりぃから捨てちまえ』と……。まだそこにいたかもしれない叔父の霊魂が再度死にかねない発言!」(筆者体験談)

▽ お盆に出たゴキブリを「叔父か?」と言ったちいかあちゃん。その図太さゆえか、愉快な言動で私たちを笑わせてくれることも。敵も少なくないかもしれませんが、筆者は、ちいかあちゃんがどんなエピソードをくれるか、いつも楽しみなのです。周りにエピソードを楽しみにされる人って素敵ですよね。
それに、ポジティブ思考に「バッサリ」思考。悲しいときこそ、バッサリな考え方が気持ちをスッキリできるのかもしれません。

図々しく

・「ずっと昔、父が救急車で運ばれ、付き添ったちいかあちゃんが病院から帰る際に、『急いで出てきちまったから、こんな格好じゃ外歩けねぇよ。救急車で家まで乗せてくれねぇか?』と笑えない交渉をしたとのこと」(筆者体験談)

▽ この非常識さ、大変申し訳ございません。救急車の件は抜きにして、ちいかあちゃんの言動を思うと、自分ももう少し図々しく生きていいのでは? と思えてきます。

ちいかあちゃんの言動で周りの方にご迷惑をおかけしたこと、深くお詫び申し上げます。
それでも、「ポジティブに」「愉快に」「図々しく」といったことは、強く生きるヒントになるかもしれません。悩んだとき、ちいかあちゃんなんてあんなに図太いのだから、私も大丈夫! そう思って前を向いていただけたらうれしいです。
ちいかあちゃんは先日、こう言っていたそう。「100まで生きたかねえけど……お金出んのかな?」。今日も元気に生きましょう。

2021.08.07

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記事を書いたのはこの人

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Written by 武井 怜

1988年生まれ。東京都在住。 フリーランスで文章を書いたり短歌を書いたり、絵を描いたり。 過激な心配性です。でも、のんきで大雑把でもあります。 著書:コミックエッセイ『気にしすぎガール〜この世のあらゆる物事に気を遣いすぎる女の日常〜(KADOKAWA)』 Instagram:takeirei Twitter:@kinishisugigirl

三井みちこ

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