散策が楽しい街、田端を歩く【おとなの山手線さんぽ#8】

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2020.01.11.Sat

山手線沿線を散策する連載【おとなの山手線さんぽ】。毎回あるお題をもとに駅を選んで、駅の特色やスポットを大人向けにご紹介。連載8回目では散策が楽しい「田端駅」を取り上げます。

△ 田端駅

「田端というと、何を思い浮かべる?」と聞くと、「うーん、なんだろう」とか「わからない」などと返ってくることが少なくありません。
確かに、目立ったショッピングスポットはないし、それほどたくさん飲食店があるわけでもない。山手線沿線の駅ですが、派手な印象はありません。どちらかというと地味な方だと思います。
でも、田端を歩いていると、たくさんの良スポットと出会えます。度々田端を散歩している者としては、実はとても魅力的な街だと感じます。今回は田端駅周辺を歩いてみましょう。

実はとても魅力的な街、田端

1. 文豪好きなら立ち寄りたい「田端文士村記念館」

小説家の芥川龍之介氏は生前、家族と田端に住んでいた。今回「田端文士村記念館」を訪れて初めて知ったことです。

大正期から昭和初期にかけて、田端には大正3年に芥川氏、大正5年に室生犀星氏(詩人・小説家)、さらに原朔太郎氏(詩人)や菊池寛氏(小説家)、佐多稲子氏(小説家)など、文筆を生業とする“文士”が続々と移住。「文士村」としての一面を持つようになったといいます。
ところが昭和20年4月、田端は大空襲で甚大な被害を受けて、文士村はなくなってしまいます。その後、ときを経て、田端文士村記念館が誕生したのは平成5年。
文士たちの作品や原稿、書簡等の資料を展示する他、散策会や講演会などを開催し、彼らの業績や当時の暮らしぶりなどを紹介しています。

2019年10月から2020年1月26日までの企画展は「芥川龍之介の生と死」。芥川氏の作品や死と向き合った人々が残した資料を紹介し、彼が遺した言葉「ぼんやりした不安」の正体を考察する内容になっています。

館内の写真は禁止されていますが、パネルなど一部は撮影可能でSNSへの投稿もOK。今回は文豪をキャラクター化したゲーム「文豪とアルケミスト」と同館がコラボした、田端文士4人のキャラクターパネルが用意されていました。
入場は無料。文豪好き、小説好きな方は一度立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

住所: 東京都北区田端6-1-2
TEL: 03-5685-5171
営業時間: 10~17時
定休日: 月曜日

2. 珍しい江戸前寿司をいただける「赤舎利一筋もり一」

田端駅北口を出てすぐのところにあるのが、全皿一律180円というリーズナブルな価格がうれしい回転寿司「赤舎利一筋もり一」です。
白酢ではなく、赤酢と米を混ぜ合わせて作る、赤シャリが使われているのが特徴。酒粕を醸造させた赤酢は、米を醸造させた白酢よりも香りが強めで、まろやかな味わいを楽しむことができます。

江戸前寿司伝統の赤シャリを使用したもり一は、田端の他、神保町、錦糸町など、都内を中心に数店舗を構える老舗の回転寿司店。
回転寿司って素晴らしいですよね。ちょこっとお腹が空いたとき、2〜3皿だけ食べてお腹を軽く満たしたいとき、急いで食事を取りたいときなど、いろいろな用途で使えます。

もり一では、1皿を好きなネタ2種類にしてもらう「ハーフ&ハーフ」を頼むことが可能。ひとりで訪れても、いろいろな種類を食べることができます。
唯一の注意点は常に混んでいること。この日は開店5分後の11時5分に店内に入りましたが、7割近くの席が埋まっていました。行列ができるのが当たり前の人気店なので、開店同時に入るかピークタイムをずらすか、何かしら対策した方が賢明でしょう。

住所: 東京都北区田端1-21-8
TEL: 03-6458-3321
営業時間: 11〜22時
定休日: 無休

3. 素敵な器に出会える「こんな所にこんな店」

もり一で腹ごしらえをしたら、田端の街をぶらぶらと歩いてみます。田端からお隣、西日暮里方面に歩く道の街路樹が紅葉していて美しい。

こちらをしばらく歩いていくと、気になるお店が。私は普段、この道を自転車で通り、ジムに通っています。そのため、通る度に目がいっていました。

何より「こんな所にこんな店」という、何かを言っているようで言っていない張り紙が気になっていました。外には皿や古書が置かれ、お茶やコーヒーを無料で振る舞っているとか。

思い切って中に入ってみると、高齢女性がオーナーを務めています。話をすると、以前は王子に店を構えていたけれど、親の介護と向き合うタイミングで、店を畳んだそう。こちらの店舗は以前、倉庫として使っていたものの、今は店舗として使っていて、有田焼の器や江戸切子など、これまで販売していたものを売っているのだといいます。
お願いすれば「コーヒーカップをひとつだけ」というように、バラ売りにも対応してくれます。私は有田焼のエスプレッソカップ(写真中央)をひとつだけ購入。新しい品物も随時入ってくるそうで、時々顔を出してみると、掘り出し物に出会えそうです。

住所: 非公開(田端聖華保育園(東京都北区田端1-22-7)を過ぎてすぐ)
TEL: 非公開
営業時間: 11:00〜22:00頃
定休日: 不定休

4. ボリュームたっぷりサンドウィッチなら「FILL’S」

田端駅北口周りを散策した後は、新田端大橋(跨線橋)を渡って東田端エリアを覗いてみます。このエリアにおいしいサンドウィッチ屋さんがあると聞いていました。

そのお店は「FILL’S」。こぢんまりとした店舗のショーケースには、ボリューム感のすごいサンドウィッチがずらり。
私は「てり竜田」をチョイスしました。程よく柔らかい鶏肉と甘辛いソースとの絡みが絶妙。普段パンを食べる機会は少ないのですが、こちらのサンドウィッチはクセになるおいしさです。

小さな商店街の手前にあるFILL’S、しっかりお腹を満たしてくれるサンドウィッチに出会いたいときに立ち寄ってみてほしいです。お土産としても喜ばれること間違いなし!

住所: 東京都北区東田端2-9-17
TEL: 080-4924-2629
営業時間: 6:00〜14:00頃
定休日: 日曜

5. 新旧さまざまな映画鑑賞が叶う「CINEMA Chupki TABATA」

FILL’Sでサンドウィッチを購入し、商店街を奥へと進んでいくと、発見したのがミニシアター「CINEMA Chupki TABATA(シネマ・チュプキ・タバタ)」

目や耳が不自由な人も、どんな人も一緒に映画を楽しめるユニバーサルシアターとして、2016年9月1日にオープンした映画館です。新旧取り混ぜたいろいろな映画が上映されるだけではなく「特集」的な展開がなされているのも楽しめます。

大人は1,500円。他の映画館よりもおトクに楽しめる点や、時々ワークショップが開催されるなど、イベントに参加できる点も魅力のひとつです。

住所: 東京都北区東田端2-8-4 マウントサイドTABATA
TEL: 03-6240-8480
営業時間: 10:00〜23:00
定休日: 水曜

まとめ

田端には3つ以上の神社があります。写真は田端日枝神社で、この近くに田端八幡神社、上田端八幡神社が。寺社めぐりが好きな人にとっても楽しいエリアではないでしょうか。

決して大きくはないですが、「田端銀座」という商店街もあります。魚屋におでんのタネを売る店、焼き鳥店、おしゃれなイタリアン、衣料品店、さらには銭湯まで……雑多なお店が軒を連ねていて、味わい深い雰囲気を感じさせます。

歩いていると温かく、ほのぼのした気持ちになれる街、田端をぜひ散策してみてください。

記事を書いたのはこの人

Written by

池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。
写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子