アラサーも楽しめる街、巣鴨の魅力に迫る【おとなの山手線さんぽ#6】

山手線沿線を散策する連載【おとなの山手線さんぽ】。毎回あるお題をもとに駅を選んで、駅の特色やスポットを大人向けにご紹介。連載6回目では街歩きが楽しい「巣鴨駅」を取り上げます。


アラサーも楽しめる街、巣鴨

△ 巣鴨駅

巣鴨といえば「おばあちゃんの原宿」との呼び名で有名なだけあって、たしかに高齢女性向けの買い物スポットは多いですが、私たち世代も楽しめるスポットはたくさんあります。

1. 帽子に服、人とかぶらない掘り出し物と出会える店

巣鴨のメイン商店街「巣鴨地蔵通り商店街」を進むと、やはりミセス向けファッションのショップ看板が目立ちます。そんな中でもしっかりサーチをかければ、アラサー世代にもしっくりくる掘り出し物に出会えることも。

△ 帽子専門店がところどころにある

帽子屋さんがチラホラあるのも巣鴨の特徴かもしれません。おばあちゃんのファッションを見ていると、帽子をアクセントに取り入れている人は多いです。以前、一緒に巣鴨を散策した友人(30代半ば)は、巣鴨で自分用に帽子を買っていました。若い人が被っても違和感のない帽子が売られている、というわけですね。

△ 外観もおしゃれ

「L’OEUFOR」というブティックも、若い人向けのアイテムと出会えるのでおすすめです。筆者は以前、大きめなストールを購入し、今でも大事に使っています。

△ 奥の首元にツイード素材があしらわれた白トップスが素敵

量販店のアイテムだと人とかぶるのが嫌、少しだけ個性的なアイテムを身に着けたい――そんな人にぴったりなお店です。

2. 巣鴨名所「とげぬき地蔵尊」でお参り

△ メイン通りの看板の下に入口の案内が

途中に巣鴨の有名観光スポットのひとつ、通称「とげぬき地蔵尊」があります。正式名称は曹洞宗萬頂山高岩寺。明治24年(1891年)に巣鴨へと移転してきました。

△ 中には出店も

境内には「洗い観音」と呼ばれる聖観世音菩薩が祀られています。この聖観世音菩薩像に水をかけて、自分の身体の悪いところを洗うと不調が治る――いつしかそんな信仰が生まれ、今も信じられています。平日もなかなか混んでいますが、土日の混みっぷりは洗い観音のところには長蛇の列ができるほどなかなかのものです。

住所: 東京都豊島区巣鴨3丁目35-22
TEL: 03-3917-8221

3. 食べ歩きに甘味処、老舗喫茶店…甘いものも充実

街ブラをさらに楽しくする要素といえば、定番の食べ歩きですよね。その点、巣鴨にはお団子屋さんが多いので食べ歩きにはもってこいというわけです。いわゆる和菓子店、和の甘味が充実しているのも「おばあちゃんの原宿」と呼ばれるゆえんでしょうか。

△ リーズナブルな金額感もうれしい

こちらの「元祖 千成もなか」は巣鴨地蔵通り商店街入り口の手前にあります。食べ歩きスイーツとしてだけでなく、巣鴨土産として親しまれています。

△ 大塚にも店舗がある名物もなか店

住所: 東京都豊島区巣鴨3-28-8
TEL: 03-3917-8885

食べ歩きではなく、店内でゆっくり過ごしたい人におすすめなのが「夢の味 きりん」。

あんみつやおしるこ、夏にはぜんざいなど、絶品和スイーツが充実。うどんなどの軽食もあります。

住所: 東京都豊島区巣鴨3-30-11
TEL: 03-3917-7166
営業時間: 11:00~20:00
定休日: 月1~2回(不定休)

クラシックな喫茶店がいいなら「珈琲専門店 伯爵」がおすすめです。レトロ感に目を引かれる外観なので、古き良き喫茶店が好きな人にとっては、何度も訪れたくなる場所になるかも。

座り心地のいい椅子に、ステンドグラスで美しく装飾された天井……ここでは非日常的な空間にいる気分を味わえるはず。

△ 黒いテーブルに天井のカラフルなステンドグラスが映り込んでいる

食事メニューの中では「ナポリタン」に自信ありのようです。喫茶店の定番メニュー、ぜひ一度お試しを。

住所: 東京都豊島区巣鴨1丁目12-3
TEL: 03-3947-7855
営業時間: 7:00~23:30
定休日: なし

4. 昼飲みもできる巣鴨の人気店「ときわ食堂」へ

食事処も豊富なので、「今日は何を食べようか……」と、街を歩いていてうれしい悩みが生まれるのも巣鴨の魅力だと思います。
有名なのは「ときわ食堂」。巣鴨地蔵通り商店街の「本店」を筆頭に、巣鴨駅前や大塚、駒込に店舗を展開しています。今回立ち寄ったのは巣鴨駅前店。

△ 巣鴨地蔵通り商店街の本店はいつも並んでいますが、駅前店は比較的入りやすい

ときわ食堂は定食メニューだけでなく、昼飲みにも適したラインナップが揃います。おかずは単品でオーダーすることも可能。+270円でごはんに味噌汁、お新香がセットになった「定食」にすることもできます。

△ おひたしと煮物盛り合わせ

すべて手作りで「家庭の味」を感じられるプロの料理をいただくことができます。こっくりした煮物の味が最高でした。

△ 肉ニラ炒め

ふたりでも分けられるくらい、野菜がたっぷり盛られた肉ニラ炒め。野菜不足を感じたときにも利用したいお店です。これだけ食べて1,000円弱というお手頃価格も好み。

住所: 東京都豊島区巣鴨3-28-8
TEL: 03-5980-9363
営業時間: 10:00~23:00
定休日: 木曜

まとめ

改めて街をのんびりと歩いてみると、たしかにおばあちゃんの原宿感のある場所。そんな巣鴨では今、街に新陳代謝が起きています。
すでに終了していますが、取材時の巣鴨地蔵通り商店街では「メルペイ通り」なる商店街ジャックが開催されていて、フラッグを飾り、シニアへのスマホ決済アプリ利用促進を試みるなど、イマドキな感じになっていました。

△ 老舗喫茶店の隣にタピオカ屋が

新陳代謝というだけあって、昨今流行っているタピオカ屋の進出も見られました。若い人もこの街を訪れ、ここで遊んでいることが伝わります。

今回だけで巣鴨の魅力を語り尽くすのは難しいですが、駅前に古き良き書店が残っているのも、私が巣鴨を好きでいる理由のひとつです。

撤退する書店が増え、大きな街からも書店はなくなっています。でも、巣鴨の「成文堂書店」は健在。閉店時間が23時と遅くまで営業しているので、帰り道に寄りたいときにも助かります。

何時間でもブラブラできそうな巣鴨。散歩が心地よい季節になりました。時間のある日にのんびりとした街歩きを楽しんでみては。

2019.10.20

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Written by 池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子