「昼」も楽しめる「夜」の街。スナック探訪が楽しい、御徒町を歩く

山手線沿線を散策する連載【おとなの山手線さんぽ】。毎回あるお題をもとに駅を選んで、駅の特色やスポットを大人向けにご紹介。連載5回目ではスナック探訪を楽しめる「御徒町駅」を取り上げます。

△ 御徒町駅

山手線で上野と秋葉原の間にある駅、御徒町。駅前には松坂屋やパルコ、その中にTOHOシネマズが、近くには落語を聴ける鈴本演芸場があり、ショッピングやエンタメスポットが充実した街です。
一方で、「夜の街」という顔も持つ御徒町。大通りからひとつ路地に入ると、飲み屋街があり、その中にはたくさんのスナックがあります。今回は御徒町を「スナック探訪」という切り口で散策します。

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御徒町の「イチオシ」スナック

1. ママの家庭料理が絶品!「はなみずき」で夕食とカラオケを

平日の19時前、飲食店やクラブなどが立ち並ぶ仲町通りを歩き、オープンしているスナックを探していました。でも、ない……。そこで、路地裏にふらっと入ってみたところ、灯りがついていて、なんとなく吸い寄せられたのが「はなみずき」でした。

比較的早い時間だから、まだお客さんはいないだろうか、それとも常連さんが既にいるんだろうか。いるとしたら話しやすい人だといいな。そんな思いで扉を開けたところ、いたのはママひとり。スナックビギナーとしてホッとした瞬間です。

スナックは飲み会の2~3軒目で立ち寄る人が多いので、お客様が増える時間帯は21時や22時以降。だからこそ、ママとじっくり話したいなら、早めの時間が狙い目だともいえます。

△ ハイボールを注文しました

私の母くらいの年代のママは、とても料理上手でした。この商売を始める前は飲食店で調理をしていたとか。だからこそ、腕が確かなのですね。この日、昼食以降何も食べていなくて、お腹が空いていた私は「何か夜ごはん的なものを食べたいです」とリクエストしてみました。

とくにメニューリストはなく、その日仕入れている材料を使って、ママが手際よく作ってくれます。いくつかお通しを出してくれた後、「素麺好き? 食べる?」と聞いてくれて、キムチと絡めた素麺を作ってくれました。これがシンプルながらとても美味しくて……!

△ しょうゆとコチュジャンのタレが美味しい

2時間半ほど滞在して、ずっとママと話していましたが、合間にカラオケをしたくなって、3曲歌いました。選曲したのは浜崎あゆみさんと中島みゆきさんの歌。普段は3~4か月に一度、思いっきり歌いたくなったときに、ひとりでカラオケに行くのが恒例ですが、この日は実に久々に人前で歌いました。
歌っていると、ママが「上手!」と言ってくれたり、盛り上げてくれたりします。「これが心地よくて、ひとりカラオケではなく、スナックにカラオケをしにくるお客様がいるんだな」とようやく理解できた気がします。

翌日が朝早かったので、名残惜しい気持ちもありながら21時半頃、店を後にしました。ママがわざわざ店の外、さらには道路まで出てきて「御徒町駅はあっちね」と案内してくれて、見送ってくれたのが心に残りました。

スナックというと、もちろんスナック好き女性「スナ女」のように、女性のお客様もいるけれど、「今よりもっと女性のお客様を増やしたい」とママ。「どうして?」と聞くと、女性がいると店の中が華やかになるし、盛り上がるからだといいます。

確かに、男性のお客様ばかりがいるよりも、女性のお客様が混じることで、全体の雰囲気はまったく違うものになりそうですよね。それに、女性は女友達を連れてくることも多く、スナ女の輪がどんどん広がっていく――そんな流れも期待できるそうです。

飲み放題は1セット3,000円、料理を頼んだ場合は+1,000円で、合計4,000円で楽しく美味しいひとときを過ごせました。カラオケ代金は込みなので、歌い放題なのもうれしい。今度は知人を連れて訪れたいと思いました。

住所: 東京都文京区湯島3-43-8 クリスタル湯島1F
TEL: 03-3837-7533
営業時間: 19:00~1:00
定休日: 第2・第3日曜日

2.20代のママが話しやすくて面白い! 昼から飲める「スナックバーP」

「スナックバーP」は「御徒町 スナック 昼営業」と検索して知ったお店です。基本的にスナックは20時前後〜深夜1時頃まで営業していることが多いですが、近年はこれまでクローズしていた昼間の時間帯に、あえてオープンするスナックもあるとのニュースを目にしたことがあります。

△ 1年前にオープンしたばかり

夜の時間帯よりもリーズナブルに飲めるという気軽さが受けて、あえて昼間に訪れるお客様も少なくないそうです。そんな情報も仕入れていたので、昼に営業しているスナックに行ってみたい、と思って来てみました。

△ 近くにはこんな味わい深い路地も

念のため、前もって店に電話をして、昼営業をしているか確認し、営業している曜日に来店。当日はママが接客してくれるとのことで、楽しみにしていました。
御徒町駅よりも千代田線湯島駅から近い立地のスナックバーP。大通りに面したビルの8階にあります。広すぎず狭すぎないアットホームな大きさの店内は、ママがカウンターに立ったとき、全体の様子を把握しやすいそう。

私が店に電話をかけた日は、別のスタッフさんが対応してくれました。その数分後にママから着信があり、「いらしてくださるの、楽しみにしてます!」と元気な声で挨拶してくれました。そんな心配りもうれしかったです。

この日ははじめましてということで、ママとひたすらおしゃべりを楽しみました。カラオケも少しはしようかなと思って訪れたのですが、カラオケどころではないくらい、トークが楽しくてびっくり!
28歳のママとは5歳差ではありますが、年齢がまあまあ近いこともあって、丁寧ながらもほどよく脱力した接客をしてくれるのが心地良い。自分より年下のママと接することがなかなかないので、とても新鮮でした。

仕事の話から恋愛・結婚・離婚の話、占いの話、友達に関する話……実にいろいろな話をしたと思います。ハイボールを2杯いただいて、いい感じに酔ってしまい、細かいところはところどころ抜けていますが、思い切って電話をかけて重たい扉を開けて良かったなと思いました。

△ 伝票に呼び名を書いてくれるのが新鮮

女性はセット料金3,000円で、好きな飲み物を飲めます(初回は飲み歌い放題60分、2,500円)。もしお腹が空いているなら、マスターがさっと料理を作ってくれるそう。とくにメニューリストはなく、その日に入っている材料でお任せです。これは先述の「はなみずき」と同様、絶対に美味しいパターンですね。

お客様の層は30代が多めですが、20~60代など幅広い年代が訪れているといいます。気さくで面白く、頭の回転が速い、キュート&クレバーなママが接客してくれるスナックバーP、おすすめです。

住所: 東京都文京区湯島3-46-6 TS天神下ビル8F
TEL: 03-5846-8357
営業時間: 11:00〜24:00
定休日: 日曜日

まとめ

喋って、飲んで、食べて、歌って……。いろいろな楽しみ方ができるのがスナックの魅力です。一般の飲食店とは違って、扉を開けるのに勇気がいるかもしれませんが、一歩足を踏み入れると未知の世界と出会えます。

御徒町には他にもたくさんのスナックがあります。昼間の御徒町もいいですが、夜の御徒町散歩も楽しんでみてください!

※価格はすべて税込で記載

2019.09.17

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記事を書いたのはこの人

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Written by 池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子