「自分で“実験”しながら生きてます」りょかち【園子の部屋#3】
編集者/ライターの池田園子が、そのときどきで気になる人、話を聞きたい人に会いにいく連載企画「園子の部屋」。第3回目はIT企業に勤めながら、数々の媒体へ寄稿しているコラムニスト、りょかちさん。
りょかちさんが知られるようになったのは、2年と少し前。内定~就職までの期間にかわいく仕上がった自撮り写真をTwitterにアップし、「自撮り女子」として知られるようになりました。
本業と副業の「りょかち」
池田: 最近の「りょかち(活動)」は、自撮り女子から若者ネットカルチャーに詳しい人へと形を変えている印象を受けます。最近は「若者とネット、SNS」といったテーマでの寄稿が多いですよね。
りょかち: 昔は連載のほか、いろいろな仕事を受けていました。でも、最近は「やらないことを選ぶ」ことを意識するようになりましたね。選ばないことでどう変わっていくのか、自分の人生を通じて実験したい。その上でりょかちをもう一度作り直そうと思っているんです。
池田:ちょっと整理すると、りょかちさんと松田涼花さん(りょかちさんの本名)はまったく別物で、りょかちさん=SNS上の存在、という認識で合っていますよね?
りょかち: はい。りょかちはTwitterを拠点とした個人メディアのようなもの。タイムラインにネタを流すために記事を書いたり、誰かをヒヤリングしたり、取材を受けたりしています。
朝と夜ではTwitterの「視聴者」が違う
池田: 今フォロワーが11,000人を超えていますが、どう推移してきましたか。
りょかち: 2010年、大学1年の頃からTwitterを始めて、自撮りを始めてからIT系の方に「Twitterでフォローすべきビジネス界の12人の美女」にまとめられたり、自撮りをする理由について書いた記事が話題になったり、書籍を出したりしたタイミングで伸びている気がします。
池田:Twitterの使い方について、以前「8:00~10:00の朝、23:00~24:30の夜、1:30くらいの深夜」と、意識している時間帯は大きく3つあるとインタビューでお話しされていました。これは素晴らしい戦略だなって感じたのを覚えています。
りょかち: 朝に意識高い記事を流すのと、夜に流すのとでは全然反応が違います。働いている人だと当然全部のツイートは見えないですし、朝と夜だと「視聴者」が違うのかなって。だから、時間帯によって自分の色も変えていくほうがいいと思うんです。
タイムラインは「テレビ番組表」を作るのに近い
池田: 勉強になります。休日だと時間帯はまた違うんですか?
りょかち: 基本的に午前はつぶやかないですね。皆が起きていると思われる14時くらいからつぶやき始めます(笑)。
池田: テレビ番組を作ってる人みたいですね(笑)。
りょかち: 番組表を作るのと似ているかもしれません(笑)。
池田: その考え方は面白いですね。Twitterの運用方法でちょっとご相談が。趣味のプロレスとか相撲のツイートを連投するとちょっと減って、たまにライター関係のツイートをするとちょっと増えて……という感じで一進一退を繰り返していて。でも、プロレスとか相撲についてつぶやきたいんですよ、どうしても(笑)。
Twitterは「自分が楽しむ」のが大前提
りょかち: 池田さんのキャラ、すごく好きです(笑)。
池田: ありがとうございます(笑)。ネットに詳しい知人からは、フォロワーを増やすなら、反応がいいツイート(ライター関係のツイート)をメインにしたほうがいいって言われるんですけど、それはそれで窮屈でつまらないなって。
りょかち: 池田さんがプロレスとか相撲についてつぶやくのと同じように、私自身が好きなサッカーのことをつぶやいて減るフォロワーは、いつか減るんですよ。そうやってふるいにかけていって、「自分のことを好きでいてくれる濃いフォロワー」を増やしていくほうがいいと思います。
池田: そのほうがTwitterを楽しく続けられますね。
りょかち: 池田さんの場合は、ライターブランディングを意識したツイートの割合を増やせばいいのではないかと思いました。プロレスや相撲のツイートが仕事につながる可能性もありますから。ただ、「割合」を変えればいいんじゃないかなって。
過去ツイートのリツイートで「再放送」を
池田: バランスの問題ということですね。
りょかち: おすすめなのは、半年前のツイートで人気だったものをリツイートすること。私の場合、半年前と比べると2~3割は新しいフォロワーが増えています。
池田: 「再放送」だ(笑)。
りょかち: いいツイートは何回「放送」しても伸びます。再放送がきっかけになってフォロワーが増えることも多いですよ。
池田: 今日は学びになることばかりでした。お会いできてうれしかったです。ありがとうございました!
▽ ゲスト/りょかち
1992年、京都府生まれ。「自撮り女子」として有名に。IT企業勤務。著書に『インカメ越しのネット社会』(幻冬舎)がある。
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