しなやかな私をつくる本 vol.13~『美人な「しぐさ」』~

女性が生き方や考え方をアップデートし、つよくしなやかな自分を目指すのに役立つ本を月に1冊紹介します。


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美しい人の多くは「美人に見える人」

しぐさひとつで、女性は美しくも見えるし、みっともなくも見える――。美しいしぐさの女性を見かけると、ハッとさせられ、反省タイム突入です。
そもそも、絶世の美女なんて全体の数%にもみたず、美しい人の多くは「美人に見える人」なのだと思います。美しい人を一人ひとり見ていくと、顔やスタイルが完ぺきというわけではないですよね。
その人のまとう雰囲気や放つオーラに美しさを感じ、脳が「あ、この人キレイだな」と判断する。となると、美しい雰囲気を身につけることで、誰でも「美人に見える人」になれるわけです。

美人に見える人は「美しいしぐさ」を心得ている

『美人な「しぐさ」』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者・中井信之さんは、本書でこう綴っています。

「女優のようにゴージャスな雰囲気、モデルのように颯爽とした雰囲気、気品があり優雅でたおやか、有能で信頼できる……いろいろな美しさの『角度』があるということも覚えておきましょう。どのような角度であれ、美人に見える人は、そのときどきの自分の考えや年齢と、その場にふさわしい『しぐさ』を心得ているからこそ、いつも活き活きとして美しいのです」

本書では

Lesson 1 日常でできる基本の美人な「しぐさ」
Lesson 2 仕事で評価される美人な「しぐさ」
Lesson 3 恋の相手を惹きつける美人な「しぐさ」
Lesson 4 美人な「歩き方」
Lesson 5 「いいね!」が増える美人な「写真」の撮られ方

という大きく5つのLessonが、タレント養成学校で5,000人以上のタレント指導を経験し、現在ポージングディレクターやイメージコンサルタントとして活躍する、中井さんの膨大な研究を元にたっぷりと紹介されています。
本書から、意外と知らない(?)美人なしぐさを3つ、よりすぐって取りあげます。どれも今日からさっそくできるものばかりです。

美しいパーツ「一の腕」を活かす

「一の腕」を意識したことはありますか? 「二の腕ならわかるけど……」という方が多いのではないでしょうか。一の腕とは医学用語で、ひじから手首までの部分を指します。一の腕は脂肪がつきやすい二の腕と比べ、スッと引き締まっているのが特徴です。
さらに、一の腕の内側は、中井さんいわく「日焼け跡やシミなどが少なく、滑走路のようにまっすぐで、スベスベしている美しい箇所です。この部分を生かすだけでも、美しい雰囲気を出せるといっても過言ではありません」。
この一の腕を使ったしぐさとしては、テーブルの上に置いた手首付近に、片方の指や手を重ねるというものがあります。「両方の腕と手をカサネルしぐさにより、自分の前に『スペース』ができ、少しだけ近づきがたく、高貴な雰囲気を出すことができるのです」と中井さん。
両腕をドーンと投げ出していたり、肘をついていたり……その数倍、いや数十倍、エレガントに見えるしぐさです。座って待っているあいだ、打ち合わせ中など、実践の場は多々あるはず!

背もたれにしっかりもたれて座る

オフィスで普段、どんな姿勢で座っているでしょうか。ねこ背や反り腰など、「疲れる座り方」をしていませんか? 中井さんは「背骨の『S字ライン』をキープすることが、能率を上げ、長時間座っていて疲れないコツです」と解説します。

では、仕事の能率を上げ、かつ美しい座り方ってどういうもの? 本書から大きく3つのポイントを引用します。

1)腰に近い「おしり部分」を背もたれにぴったりカサネテ密着させる
2)「ひざ」と「かかと」の角度は90度 「すね」は垂直のままカタムケナイ

3)「肩」をヒネラナイ、前に出さない

浅く腰かけるほうが美人かと思いきや、じつはそうではありません。椅子の背もたれの腰付近にスペースができると、骨盤が後傾してしまうのです。「そのまま長時間座っていると、立ったときにねこ背になり、脚はガニ股になります」と中井さん。うーん、なんとも恐ろしい……。

とくにデスクワークの方は、1日に8時間近くは座っていることになります。椅子の上で長時間過ごしているわけですから、まずは座り方からリセットしたいものですね。

腕をやわらかく伸ばして歩く

最後は美しい歩き方のコツをひとつ。本書では「美人の歩き方」を「ひじをのばす」×「腕を前後に大きく振らない」と定義しています。歩いているときのご自身を想像してみてください。ひじを曲げて、一の腕をブンブンと振っていませんか?

美しい歩き方の基本は、肩から手先までがやわらかく伸びている状態。「上から見たときに腕の振りの横幅が肩幅から外に出ないようにしましょう」と中井さん。歩く動作は日常生活において基本中の基本。せっかくならキレイに歩きたいものです。

美しさは顔の造作やスタイルの良さではなく、しぐさによって導かれるもの。しぐさなら誰だって磨くことができます。読んですぐやれば美人の仲間入りができそうな1冊です。

2016.09.12

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記事を書いたのはこの人

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Written by 池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子