失恋したら読みたい一冊! 上を向いて歩きたい人にピッタリな「太陽のパスタ、豆のスープ」
大切な人から別れを告げられると、誰でもどん底な気分になるもの。でも、いつまでも落ち込んではいられないですよね。どうやったら今までの自分をとり戻せるの? と悩んでいる人におすすめの本が、宮下 奈都さん著の「太陽のパスタ、豆のスープ」です。
本のタイトルから想像できない内容
タイトルが食べ物……。食事に関する内容なの? と思われがちな本作ですが、内容は主人公が失恋から立ち直るまでの道を書き記したもの。どのように失恋から立ち直っていくのかを見届けることができる作品です。読み終わるとなんだか元気がでてきますよ。
衝撃的な別れが訪れる
主人公の失恋は衝撃的なものです。ただ別れようと告げられただけでなく、その彼はなんと結婚を約束したフィアンセなのです。結婚式を目前に控え、新居や家具もすでに探していたのに……。そして、失意の中の主人公は、自分がどれだけ空っぽな人間なのかに気づかされていきます。
しかし、まわりの仲間や家族の存在が支えになり、だんだんと失恋から立ち直っていきます。
立ち直るためにマネしたいポイント
この作品を読んでいてぜひマネしたいポイントが2つあります。
1. ドリフターズ・リストを作ること
主人公の叔母によって無理やり作らされたドリフターズ・リストが、この物語のカギを握っています。ドリフターズ・リストってなんだかおどけた名前ですが、生きるための指針になってくれるリストです。楽しそうだなぁと思うことや、やってみたかったこと、または欲しいと思ったことなど、なんでも好きなことを書いていいのです。
主人公がチョイスしたリストは思いつきで書いたものばかりなのに、それでも物ごとがおもしろいほどに前に進んでいきます。真似してみれば、あなたもうまくいくかもしれませんよ。
2. オシャレなお鍋を買うこと
気持ちがめげたとき、おいしい食事が心を明るくしてくれます。それに気づいた主人公は、「毎日おいしい料理を作れるようになりたい!」と考えます。おいしい料理を作るには、“確かな腕前”“厳選された食材”“最高の調理器具”が必要です。どれも手に入れるのは難しいけど、最高の調理器具なら手に入る! とのことでお鍋を買うことに。お鍋の代表と言えば“ル・クルーゼ”。値段が高いとはいえ、高品質でなによりもオシャレ! このお鍋ひとつでさまざまな料理を作っていく模様も読みごたえがあります。
スープや煮物、お米だってたけるし、使うほどになじむお鍋です。とても簡単そうにおいしそうな料理を作る主人公を見ていると、マネしたくなること間違いなし!
ゆっくりと元気になっていく
失恋をすると不安と恐怖、怒りなどさまざまな思いがこみあげ、普段の生活にも支障がでることもあります。そのため、早くこの苦しみから逃れたい! と思うでしょう。しかし、人はすぐに悲しみや苦しみから抜け出すことができないのが現実。
この作品を読んでいると、主人公が悲しみの中からだんだんと自分をとり戻し、成長していく過程が見えてきます。すぐに“パっ”と明るくなるようなできごとはないのに、少しずつ悲しみから抜け出していく主人公の心の変化は、読み終わったあとに晴れやかな気分にさせてくれます。失恋のモヤモヤから抜け出したい! という人はぜひ読んでみて。