しなやかな私をつくる本 vol.6~『ふつうに過ごすだけでキラキラ変身していく』~

女性が生き方や考え方をアップデートし、つよくしなやかな自分を目指すのに役立つ本を月に1冊紹介します。


スキンケアからメイク、ヘア……美容は幅広い

私たち女性にとって“毎日のTo do”ともいえる美容。毎朝洗顔後に化粧水をパッティングすること、ヨガマットを敷いて簡単なヨガをすること、朝食にフルーツとヨーグルトを一緒にいただくこと、好きなコスメを使って外向けの顔をつくること――これらはすべて美容です。
そう、美容と一口に言っても、やることはもりだくさん。それを面倒くさいととらえるか、楽しいと感じるかで、アウトプットは変わってくるような気がします。もちろん前向きな気持ちでとり組むほうが、いい結果を出せるでしょう。
仕事や人間関係、恋愛・結婚生活などもそう。美容でも同じことが言えるのではないかと思います。では、どうすればポジティブなモードで美容を楽しめるのでしょうか。それを実践する人の本を読んでみたい!

楽しいと感じる美容だけすればいい

そんななか手にとったのが、美容家・岡本静香さんの最新刊『ふつうに過ごすだけでキラキラ変身していく』です。スキンケア・メイクアップ・ボディ・ヘア・スペース(空間)の5テーマで「美人の感覚」を身につける方法が紹介されています。
早くもまえがきで、「えっ、そうなの!?」と目を丸くする読者もいそうです。岡本さんは「美容=時間がかかって、忙しいときに負担になるもの」といった一種の思い込みを覆す発言をしているから。
「美容にとって、根本的なことは『自分が楽しい』と思うものだけを行うこと。そして無理をして、『しんどい』『続かない』ことはしないこと。楽しいことだけをするのが『自分に合っている美容』です」――と。

無理なことをしても美人にはなれない

さらに、肌の美しい女性が「特別なことはなにもしていません」と定型文のように答えることにもふれています。聞くたびに「相当ストイックなケアをしているんじゃないの?」と意地悪な気持ちになったことがある人もいるはず。
その真意を岡本さんは「『自分にとって無理なことはなにもしていません』という意味」だと解説しています。当然、スキンケアをなにもしていないわけではありません。好きな美容、わくわくする美容だけをしている結果、美しくなるのだというのです。
人は誰しも、自分に合わないこと、やや背伸びだと思えること、楽しくないことをしていると、気持ちもパフォーマンスも下がるもの。美容においても、自然と習慣化できるような自分に合ったものを取捨選択することが大事なのです。

リラックスしながらケアしよう

たとえばスキンケア。「朝と夜なら朝が好き」な岡本さんの場合、スキンケアにたっぷり時間をかけるのは朝なのだとか。「肌にとっていちばん大切なスキンケアは、リラックスしながら自分に合ったケアをすること」と語ります。
たしかに、毎日異なる状態の自分の肌にふれ、適切な基礎化粧品を選んでケアをするには、心にゆとりがあり、違いを感じとる力があるときがベストなのでしょう。女性の体は日々刻々と変化しています。それに伴い肌も進化し続けているのです。
時間をかけられるときのケアとささっとすませたいときのケア――この2つのケアを行き来できるようにしておくと、ストレスもたまりません。スキンケアの最初の項では岡本さん流のケア方法が詳細に記載され、美肌づくりの参考になります。

「なりたいイメージ」のアイシャドウを選ぼう

続くメイクの章では、岡本さん愛用・イチオシのアイシャドウやリップ、下地などが紹介されています。中でもピンときたのが、「アイシャドウだけで『なりたい雰囲気』に変身できる」との言葉。
岡本さんによると、アイシャドウはコスメブランドの個性が最も出ている商品だとか。だからこそブランドの広告を見て、それが「何系」なのか、自分は何系を目指すのかを考えて選ぶことが大事なのだと。同じブラウン系のアイシャドウでも、ブランドによって醸し出せる雰囲気はさまざま。日常使い・デート・パーティなどいくつかのシーンを思い浮かべて、そのときどきで自分をどう見せたいかイメージして、使いわけられるよう準備しておくといいかもしれません。

自分独自の「心地よさ」を楽しみながら発見し、ふつうにすごしているだけで女性は誰でもきれいになれる――。読後はかならず前向きになれる、考え方を変えてくれる……美容本の枠を超えた一冊です。

2016.02.09

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記事を書いたのはこの人

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Written by 池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子