忘れられない「誰か」がいる女子におススメ。切ない7つの恋物語『あとは泣くだけ』に胸がぎゅっとなる!

皆さんは、もう終わってしまった恋を思い出すことはありませんか?
例えば、昔付き合っていた人によく似た顔つきの人を見かけたときや、一緒に聴いていた音楽が街で流れ出したときなど、どうしても胸がぎゅっとなる瞬間ってありますよね。今は今でちゃんと幸せなはずなのに、ふとした拍子に過去を思い出し「もう私にできるのは、あとは泣くことくらいだ!」となってしまったとき、あなたはどうやって過去の恋と向き合っていますか?
今回ご紹介したい本は、小説家であり、歌人でもある加藤千恵さん作の『あとは泣くだけ』(集英社文庫)という作品です。このお話は、大切な人に贈られた「物」から、今はもう会うことはない人の思い出をふり返る男女が登場します。とても切ない恋のお話ですが、読んだ後は不思議と前向きになれます。それでは少しだけ、中身をご紹介します。
『あとは泣くだけ』(加藤千恵/集英社文庫)
婚約指輪に本、ワタリガニの缶詰、たまごっち、天然石のブレスレット、アンクレット、赤いボールペン……。この7つの恋物語にでてくる「贈り物」は、何かわけがありそうなものから何気ないものまでさまざまです。登場人物たちは、この贈り物をきっかけに、閉じ込めていた過去の記憶を揺りおこすのですが「転校してしまった女の子への想い」などのかわいい恋心から、不倫や暴力、家族の問題まで、実にさまざまな恋物語が出てきたのが印象的でした。
「泣くしかない」恋だとしても、それで終わりではないのかも。
筆者が特に記憶に残っているお話は、「先生、」という図書館で高校の恩師に偶然再会する女子大生の物語です。先生は、結婚して子どももいるのですが、どこにいても何をしていても先生のことが気になって仕方がない主人公の様子が描かれています。教育実習の相談に乗ってもらったのがきっかけで、先生と再びやりとりするように――。先生がいつも胸ポケットにいれている「赤いボールペン」を使って何かを書きつけている「手」を、じっと見ている様子がとても切なく描かれていました。
もう終わってしまった恋は、愛しくて切なくてどうしようもない恋でもありますが、このお話に出てくる男女は、これからのことを考えると、暗い未来ばかりが待っているわけでもないような気がしました。きっと少しずつに素敵な思い出になって、それよりももっと楽しい「今」を生き抜くことができるのではないかな? と最後に思えた素敵な物語でした。どうしても忘れられない人がいる方に、おススメです。良かったら読んでみて下さいね。
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