人恋しい冬におススメ! まるでウサギのような、ラブラブすぎるカップルの物語『ラビット病』に元気をもらおう!
気がついたら来月はいよいよクリスマス。街にはちらほらと、クリスマスのイルミネーションが彩られるようになりました。何かと人恋しい季節ではありますが、今回はそんな寒い冬にぜひ読んで頂きたい、まるでうさぎのようにラブラブすぎるカップルが登場する『ラビット病』という本をご紹介したいと思います。
終始、オロオロ、ドタバタしている最強の“バカップル”が、きっとあなたを温かくて幸せな気持ちにしてくれるはず! それでは少しだけ、内容をご紹介いたします。
『ラビット病』(山田詠美/新潮文庫)
「ゆーりちゃん、ローバちゃん、私たちはうさぎー♪」。本書『ラビット病』は、こんな可愛らしい歌を恥ずかしげもなく歌ってしまう(!)あのフワフワで、寂しがりやである「うさぎ」のように、いつもくっついている、目も当てられないほどラブラブなカップルのお話です。
主人公は、親の残した遺産でマイペースに暮らし続けているけれど、家族の温もりを知らない、強烈なワガママ娘の「ゆりちゃん」と、黒人米兵士で、涙腺のゆるい純情青年の「ロバート」。ゆりちゃんとロバートは一緒に暮らしているのですが、ゆりちゃんはお金持ちなので、特に働きもせず、ボロボロの服を着て、一日中飲んだくれたり、シンクの三角コーナーにうじ虫をわかせたり、ロバートの耳をかじって甘えたりしながら、気ままに暮らしています。ゆりちゃんは「日本人の女性らしくない!」と周りから言われながらも、ロバートに家事をほぼ全て任せ、やりたい放題です。
客観的に見ると「嫌な女」に見えないこともないのですが、彼女が本能的に欲しいものを貪欲に求め、まるで動物のように彼を愛しているのを見ると、最高に可愛くて、イイ女に見えてくるから不思議です。
バカップルだけど許せてしまう!
ゆりちゃんとロバートは、お互いのことを心から受け止めあい、時には親子のように、時には恋人のように、全てを見せ合い、成長しようとするカップルです。ゆりちゃんはロバートに家族の温もりを教わり、ロバートはゆりちゃんから、決断力やたくましさを教わっていました。だから、読んでいて嫉妬心がわくこともなく、「誰かに恋をしたり、誰かを愛したり、愛されたりすることって本当にすごく素敵だなあ~」と心がジワッと温かくなるようなお話でした。
クリスマス前のこの季節、私もこんなふうに絶対に幸せになってやる! と、パワーがわいてくるかもしれません! 良かったらぜひ、読んでみてくださいね。