秋の夜長に読書はいかがですか? 読めば思わず「和菓子」が食べたくなる、この秋ピッタリの、美味し~いお仕事ミステリー!

2014.09.16

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気が付けば夏も終わり、涼しい日も増え、とても過ごしやすい季節となりました。食欲の秋、芸術の秋、スポーツの秋……と、何かを始めるにはとても良い季節ですが、皆様、秋の夜長に贅沢に本を読んでみる「読書の秋」はいかがですか?
今回は、読めば思わず和菓子屋さんに走りたくなる、とっても美味しくてほのぼのするミステリー『和菓子のアン』(坂木司/光文社文庫)という本をご紹介します!

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人生に迷い中のアンちゃん18歳。デパ地下の和菓子屋さんでバイトを始めました。

この物語の主人公は梅本杏子(きょうこ)18歳。通称「アンちゃん」です。
高校を卒業して、やりたいことが見つからないままデパ地下の和菓子店「みつ屋」でアルバイトを始めた、ちょっぴり太めの女の子です。
愛想が良く、頑張り屋さんのアンちゃんは、美人なのに中身がおっさんな椿(つばき)店長や、イケメンなのに心が乙女な職人志望の立花さん、可愛らしい顔立ちの女子大生なのに、実は元ヤンの桜井さんなど、個性豊かなスタッフに囲まれながら、歴史と遊び心に満ちた和菓子の魅力にはまっていきます。

和菓子の世界はとっても奥深い!和菓子に隠された物語にも注目してみて!

そんなアンちゃんの元には、日々謎めいたお客さんが現れます。アンちゃんは少しずつ和菓子の知識を身につけて、その謎を解いていくのですが、和菓子って想像以上に奥深い世界であることに驚きました。
和菓子は手のひらに乗るほどの小さなお菓子ですが、日本の気候や湿度に合わせて作られており、この国で採れる物を使い、人々の冠婚葬祭を彩る役目を持っているのだそうです。江戸時代の人が作ったデザインが今も使われていることもあるのだとか! 和菓子は季節や習慣にも関係して作られており、そのデザインに隠された背景を知ることで、まるで日本の文化を学んでいるような気持ちになりました。

また、何かと誘惑の多い、活気あふれたデパ地下の裏話が時々描かれているところも面白いです。デパ地下で働く人々の一日の流れや、化粧品売り場で働く美人なお姉さんの裏話まで、思わずクスッと笑ってしまうエピソードが満載でした。
和菓子が大好きで、一生懸命に働くアンちゃんは本当に可愛く て、応援したくなりました。思わずうなってしまうような和菓子の秘密が描かれているので、和菓子が苦手な方もきっと楽しめると思います。読み終わると思わず和菓子屋さんに走りたくなる、この秋おススメの、温かい気持ちになるお話です。

2014.09.16

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記事を書いたのはこの人

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Written by さゆ

87年生まれのフリーライター。 本とワンコとカフェが大好きです。 いつでもアワアワしています。 ツイッター:@sayulog  写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子