美人に性格の悪い人はいない!? 読めば絶対にたくましくなれる『嘆きの美女』がおススメ!
認めたくはありませんが、「美人は得をする」というのは、本当だと思います。美人を積極的に採用する企業だってあるし、受付嬢・アイドルに女子アナなどの職業は、絶対に顔やスタイルは重要です! 特に若いうちは、「女としての魅力」はお金に変えることだってできます。
今回ご紹介したい小説は『嘆きの美女』(柚木麻子/朝日文庫)という作品です。この物語の主人公は、ネットに悪口を書き、炎上させるのがライフワーク、ほぼ引きこもりの、外見だけでなく性格も「ブス」である、「耶居子(やいこ)」という女の子。そんな彼女が、ある日突然、超美人たちと同居することになるお話です。さて、一体どんな生活が待ち受けているのでしょうか!?
1年3か月ぶりに電車に乗って出かけた先で……
この物語の主人公、生まれつき顔も性格もブスな耶居子(やいこ)は、会社を辞め、引きこもり状態を数年続けている、25歳の女性です。顔のにきびをつぶすことと、美人専用の悩み相談サイト「嘆きの美女」を荒らすことを楽しみに生きていました。ところがなぜか、ある日突然「嘆きの美女」の更新がぱったりと止まってしまい、耶居子はいてもたってもいられず、彼女たちが月に一度、オフ会をするケーキ屋さんに出向きます。
耶居子は、彼女たちの素顔を「どうせ大した美人じゃないんだろ!」と思い込み、ネットでさらそうと企んでいたのですが、現れたのは、この世の物とは思えないレベルの美人たちでした……! しかも運悪く、その場で変質者と出くわし、大ケガをしてしまい、美女たちが共同で暮らす家に運び込まれてしまいます!
美人も、美人でない人も、女性は等しく大変だ!
耶居子は、美人たちと共同で暮らし始めても、毒舌を炸裂させ、性格は変わりません。誰であろうと態度を変えないし、美女宅で料理の才能を開花させるも、ジャンクフードが大好きな、耶居子らしいセレクトのお菓子を次々に作ります。
しかし耶居子は、美人は得ではあるものの、同性の嫉妬や、変質者に追われたり、嫌がらせを受けたりなどの苦労があることも知り「人生って、誰でも平等にハードである」ことを徐々に理解していきます。
美女と顔を突き合わせての激しいケンカのシーンや、耶居子なりに今までしてきたことの責任をとった展開は、本当に見事でした!
どんな立場の人にも、葛藤や苦しみがあり、立ち向かっていかなきゃならない壁がある。
そのことを、カラリと描いた女性たちの成長物語です。
たくましく、元気になれるお話です。よかったら読んでみて下さいね。