おんなの「しあわせ」ってなに?~さみしがりやのアラサー独身おんなに見る、リアルな恋愛事情 ~<『おんなのいえ』1~4巻(鳥飼茜/講談社)>
皆さんは、漫画を読んで感情移入をしすぎてしまい、思わず泣いてしまったことってありますか? 筆者は最近、体力精神力共に、ゴリゴリ削られる、思わず号泣してしまった漫画に出会いました。
今回は、「29歳。3年物の彼氏に振られて残ったのは”家族”でした。」という破壊力大の言葉に惹かれ、流されるようにレジに持って行ってしまった『おんなのいえ』1~4巻(鳥飼茜/講談社)という漫画をご紹介したいと思います。
愛されたい、結婚もしたい、ただ「しあわせ」になりたいだけなのに!
『おんなのいえ』の主人公は、3年も同棲していた恋人に突然振られた29歳の「有香(ありか)」という女性です。失恋直後、25歳の妹「すみ香」と母親の住む地元大阪に、傷心で帰省しますが、癒されるどころか鞭打たれ、ついには「母親命令」により、妹と東京で2人暮らしをすることになります。
3年間付き合った大切な彼氏に浮気され、有香に残されたのは、愛しくも憎らしい「家族」でした。「さらぴんの生活、始めよーやあ!」姉妹と母親、「おんなだけ」の家族物語に、徐々に新たな恋の風が吹き乱れ……というストーリーです。
29歳の有香は、お金も男もなく、とても寂しがりです。3年同棲していた彼氏に浮気されて捨てられたのだから、次こそは幸せになってほしい! と思って読んでいても、なぜか次に有香が出会ったのは、奥さんがいる男性でした。
また、長年別居している夫と離婚をする覚悟を決める二人の母親や、「ゲイ」を名乗る友人と、東京に来てからいい感じになりつつある、お姉ちゃん思いの妹「すみ香」の恋愛事情も描かれており、「おんなのしあわせって一体何なんだろう?」と本気で考えさせられる内容になっています。
お見合いをして、「好き」という気持ちはないけれど、お金持ちの男性と安定した生活を送ることが幸せなのか、結婚は置いておいて、夢を追うのが幸せなのか、そもそも「結婚」って幸せなことなのか……!? など、アラサー女が必ず考えなければいけないことを、『おんなのいえ』はたくさんの名言と共に、見事に描ききっています。
人って、ただ愛して、愛されて、幸せになりたいだけなのに、そのことはどうしてこんなに難しいのでしょうね。
『このマンガがすごい!2014』(宝島社)オンナ編9位も獲得した『おんなのいえ』を読んで、あなたも「絶対的なおんなの幸せとは何か?」を一緒に考えてみませんか?
とてもおススメなので、良かったらぜひ読んでみて下さいね。