根拠のない自信が私たちを救う【恋愛にルールはいらない #14】

恋がうまくいかないとき、気になる人から好感触を得られないとき、自分を責める人が多いと思います。「私がダメだから」「私がもう少しきれいだったら」「私がイケてないから」というふうに。
でも、そうやって自分で自分を下げて、おとしめて卑屈モードになったところで、はたして事態は好転するのかというと、残念ながら答えはNO。ネガティブな感情を“まき”のように燃やして、パワーに変える特殊能力がある人を除き、悲観的になりすぎないほうがいいです。
表情から元気が失われて、全体的に覇気がなくなって、どこか寂しげな印象になってしまう。そんな状態では、せっかくいいなと思える相手と出会っても、チャンスを逃す可能性が大きいです。そして、また「私はダメだぁ」と落ち込む……これぞ負のスパイラルのわかりやすい例です。


「アンタ、女を見る目がないね」発想のすすめ

そこで提案です。思いきって、「自分を責めない方法」にシフトしてみませんか? 代わりに相手を責めるというか、少しだけけなしてみる。「アンタ、女を見る目がなかったわね。残念」「私を選ばないなんて、絶対に後悔するから」と、振り切った考え方をしてみるんです。あえて。
「何サマ!?」「自分がどれだけハイスペックな人間なんじゃい!」という非難の声やツッコミが聞こえてきそうですが、聞き流してください。あくまで、心の中で一瞬、その言葉を流してみるだけですから。
基本的に、話し言葉として発するのではなく、心の中で静かに唱えるだけでいいです。そうすれば「勘違い女」と思われる心配もありません。

自信は“根拠”があろうとなかろうと持つべきもの

うまくいかないことを自分のせいにしないので、自信もなくならず元気な明るいままでいられて、ポジティブな状態をキープし続けられます。しかも、イライラすることもなく、どこかおかしさもあります。「あの男、女を見る目がないんだなー。かわいそうな子……。って私、超エラそうな人間じゃん、フフフ」くらいに思えるくらいでちょうどいいのです。
ザ・根拠のない自信、最高! しかし、考えてみれば根拠のない自信の対義語は、根拠のある自信。使ったことがない言葉ですけど。その「根拠」とは、そもそもどんな根拠だとか、何が基準になって根拠と言えるのかなど、突き詰めると曖昧です。自信に根拠があろうとなかろうと、どうでもいいのでは? と思いますけどね。

「自分はつまらない人間だ」なんて思わないで

比較的最近まで私も、出会った相手が自分に気のない様子だと、「私が面白くない人間だからだ」「私に魅力がないからだ」としょんぼりしていました。
たとえ、恋愛的にどうこうなりたいわけではない相手であっても、相手がこちらに関心を示さなかったり、2度目を誘ってこなかったりすると、自分には人を惹きつける要素が欠けている、面白味がない、つまらない人間なんだ……と解釈。
どうすれば面白くなれるんだろう、どうすれば「中身」を良くできるんだろうと落ち込み(もっと痩せたいとか、きれいにならないと、といった考えも持つべきだけれど、それはゼロ)、どうすれば自分らしさのある「芸風」を磨けるんだろうと悶々としていました。
でも、そんなことでくよくよする必要なんてないと、あるとき気づかされることになります。「私が面白くない女なんでしょうね……。○○さんに紹介いただいたxxさんも△△さんも、私に興味を持ってくれない様子でした。一度LINEしたくらいだし。あはは。面白くなりたいなぁ」と昨年、私に適当な男性を見繕って紹介してくれた親切な紳士に笑いながら愚痴っていると、「そんなこと、思わなくていいよ!」と怒られたのでした。

生きている限り、「例外」にばかりぶち当たる。だからうまくいかなくても落ち込まない

人間は機械ではありません。ひとりひとり性格も、考え方も、心が揺さぶられる瞬間も、すべてが違います。しかも、相手の内面は覗くことができないし、本音や本心なんて知るよしもないんです。この世に生きている限り、私たちは人と向き合い続けるものの、コミュニケーションや人付き合いのマニュアルなんて、あくまで「座学」の領域を出ません。
「実践」という現実の場ではほとんど意味を持たず、「基本」は応用しない限り使えないもの。人生、例外だらけなんです。それは恋愛も同じで、マニュアルをそのまま実践したところ、「打てば響く」なんてラッキーな状態にはならないし、ひとりひとり違う人間同士、波長や相性が合うとは限りません。

AさんはBさんとはウマが合っても、ほんの少しタイプが違うB+さんとは合わない。しっくりこない。そんなことは少なくないんです。だから、いちいちへこんだり、落ち込んだりしなくていいんです。最初の話に戻りますが、自分がダメだから、なんて思う必要はゼロ。
「合わなかった」と思えばいいし、それだと納得がいかないなら前述の「女を見る目がない男ね」発想をすればいいんです。ただし、いつまでも根に持つのではなく、一瞬だけ、かろやかに「アンタ、女を見る目がない男ね。フフフ」程度に。

自信をなくさないでください。根拠があろうとなかろうと、自信にあふれている人間のほうが、得体の知れない、謎の魅力にあふれて見えるものですから。

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2017.10.05

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記事を書いたのはこの人

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Written by 池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子