食事の誘いはシンプルに、深く考えず「ごはん行きませんか?」でOK【恋愛にルールはいらない #10】

「ごはん行きませんか?」「ごはんに行きたいです!」
ムダなものがそぎ落とされた、実にシンプルな誘い文句。しかし、この言葉がどうしても、男性に対して出せない時期がありました。
まったく出せない、というと語弊があるため補足すると、「○○の件について話したいので、ごはんに行きたいです」「○○の件についてご相談したいので、ごはんに行きたいです」と、必ずかっちりした理由を添えて、誘っていました。
なんとなく自信がない、物事がうまくいっていないように感じる、人から必要とされていないのでは……と落ち込んでしまう。そんなときは、○○という理由を頭につけないと、気になる相手を誘えなかったのです。


「仕事がらみじゃないと食事に誘えない」病にかかっていた

ひと月~ふた月に一度ごはんを食べにいく、ふたまわり近く年上の女友だちがいます。彼女は再婚に向けて婚活中。私はつねに「来る者見極め、去る者追わず」のスタンスでいる状況。会うと互いの近況報告会になります。
以前、彼女と会ったとき私は(当時)気に入っていた男性ふたりと、一回ずつ食事にいったことを報告しました。でも、それっきりなにもアクションできずにいる、と伝えました。「どうして? 楽しかったんでしょう。また、行けばいいのに」と首をかしげる彼女。

「こちらから誘うことはできても、『仕事の話もしたいから』と、どうしても仕事をからめてしまうの。私と会ってもらうメリットはなんだろう、と考えると、やっぱり思い浮かぶのは“仕事”だから。『企画を考えた』とか『企画の相談をしたい』とか言えば、相手も応じてくれる気がする。二回目以降、ただ普通にごはんにいくとしても、私は相手になにもプラスを与えられない。べつになにか専門的な知識を提供できるわけでもないし、たくみな話術を持っているわけでもないし、面白い話ができるわけでもないから……」

前出の○○とは、そう、仕事に関することです。私はぐだぐだと、当時の気持ちを吐露しました。彼女は私の話を静かに、不思議そうな顔できいたあと、こんなことを言いました。

誰かから食事に誘われるとうれしいもの

「“自分と会ってもらうメリット”なんて、考える必要ある? 池田さんみたいな女性から誘われて、そのふたりの男性たちは、嫌な気持ちにならないでしょう。そもそも、嫌いな相手でない限り、誰かからごはんに誘われると、池田さんは『うれしいなあ』って思わない?」

「思いますね……。うん、普通にうれしいと思います」

とくに「大っ嫌い!」という相手はいませんが、「なんとなく苦手なタイプだな」という相手をのぞき男女問わず好感をおぼえる相手であれば、「ごはん行きませんか?」と誘われて、「声かけてくれて、ありがとう」という幸せな気持ちになります。
そうやって、「自分が誰から食事に誘われた状況」かを考えてみると、気になる人をもっと気軽かつ普通に「ごはん行きませんか?」「ごはん行きたいです!」と誘えばいいのだ、と思えるようになり、かつ実行に移せるようになりました。
それに、そもそも、です。朝食をとらない人は多いですが、多くの人は昼食と夕食は食べている。一日二食は食べている人が多い、と考えると、食事の予定は1週間だけで14コマ。けっこうチャンスはあるものです。
ひとりきりで食べるのと、好印象な相手から誘われてふたりで食べるのとでは、後者のほうがだんぜん楽しく食事ができるはず――それくらいシンプルな考え方をしてもいいと思います。

断られるかどうかを、こちらが気にする必要はない

もし、誘ったところで断られたとしても、深く考える必要はなし。「私のことが嫌いなのかな」としょぼんとしたり、「私に興味がないから断ったんだろう」と思い込んだりするのはナンセンス。誘いに応じるか否かは、ほかの予定との兼ね合いやスケジュール次第です。たとえ「行きたいな」と思う相手であっても、断るケースはあります。自分ならどうかと考えてみると、いくつか考えられるでしょう。
たとえば、私の場合は「外食(とくに夜)が2日続くのは避けたいため、外食の予定が入っている翌日指定で誘われると断る」「早寝早起きをしたいため、20時以降など遅めな時間の誘いは断る」「〆切前の仕事を抱えていて、その日に食事に行くと期日までに終わるか不安な場合は断る」など、自分なりのルールがあります。もちろん例外もありますが。

簡潔に「ごはん行きませんか?」だけでいい

誘うのはタダですし、相手への関心の高さをしめし、相手に自分を意識させるチャンスです。相手がそのとき食事に行きたいと思えば、都合がよければOKをもらえますし、行きたくなければ、あるいは都合が悪ければNOとなるだけ。NOとなっても別日を提案してくれたら、こちらのもの。
あくまで「私が彼とごはんに行きたいから誘うんだ」という自分主体で、気になる人がいたら即、「ごはん行きませんか?」と誘ってみてください。同性の友だちには普通に発しているセリフだと思います。異性に対しても同様に直球を投げればいいだけです。
私も気になる相手が新たに登場するたびに、ボールをぽんと投げて、ごはんの約束をとりつけている今日このごろです。相手に対し普通ににこやかに接していれば、まず断られることもないので、ライトな気持ちで「ごはんに行きたいです!」と伝えてみてください。

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2017.05.22

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Written by 池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子