独身女性の禁断の恋の代償は？

テレビドラマ、映画、小説等のテーマに取りあげられる既婚者の男性との恋愛。フィクションでは甘く、美しくえがかれる禁断の恋も、現実の世界では相当シビアなものです。

「代償」をともなう恋愛

最近はメディアの発達もあって、妻は夫の恋人（不貞相手）に慰謝料請求できる！　ということを知っている方が多く、実際に話あいがもたれたり裁判になることも少なくありません。ある日彼氏の妻から携帯電話に連絡がきたり、自宅まで話あいに妻がきたり――。あるいは、弁護士からの通知書が届いたり、裁判所から訴状が届いたり――。実家暮らしの場合には家族にも知られてしまうことが充分あり得ますから、家族にも大きな心配をかけてしまいます。
「土日は家族サービスがあるから遊べないけど、それ以外は普通の彼氏と変わらないもん！」そう思うのはあなたの自由ですが、実際には相当の代償がともなうものであったりするのです。

不倫のすえに失うもの……

慰謝料の金額はいろいろな要素が考慮されるので幅があるのですが、実際に支払われる金額は数十万円程度から数百万円になることもあります。「そんなお金払えない！」といっても、職場での不倫などであなたの職場が妻にわかってしまっている場合、支払いを拒みつづければ、お給料の一部を差しおさえられてしまうことだってあるのです。そして、失ってしまうのはお金だけではなく場合によっては彼氏のこともです。
妻に、「あなたの恋人を訴える」と告げられた夫の反応もまちまちです。恋人であるあなたをかばってくれる彼氏もいれば、妻にバレてしまったことで完全に妻のいいなりになり、かばってくれないどころかむしろ妻に協力をしている!?　ということもあります。小さな子どもがいたり、家族のために住宅を購入して多額のローンを組んでいたり……。現実問題として、彼氏からすれば妻のもとに戻る方が楽ちんですよね。

いちどバレたら……もう逃げられない！

ちなみに、あなたも彼氏も既婚者の場合、つまりいわゆるダブル不倫の場合はあなたの夫が彼氏に慰謝料を請求して、彼氏の妻があなたに慰謝料請求をするという関係になりますから、両家互いに請求をしあわないと約束して解決ということもあり得ます。つまり、お金が動かないこともあるんですね。
ですが、独身女性の場合にはこのようなことはできません。彼氏に嘘をつかれていて、既婚者だということを知らなかったという事情や、既婚者ということは知っていたけれども、彼氏と妻は仲が悪く離婚状態だったという事情がない限り、慰謝料請求を逃れることは難しいのです。

まとめ

「不倫をしたからおまわりさんに捕まる」ということはないので、確かに不倫は犯罪ではありません。一方で、不倫は不法行為になる、つまり慰謝料を請求されうる行為でもあります。
弁護士である私としては、どの立場にある人でも（不倫をした側でもされた側でも）その方の言いぶんをきいて代理していくことになるので、不倫がいいことなのか悪いことなのかの意見をいう気はありません。ただ、法律うんぬんの問題はおいておいて、まわりの人をたくさん巻きこむことになりますし、お金が動くことにもなります。遊び感覚で手をだすには、代償が大きいのではないでしょうか。