専業主婦に憧れる女子たちへ vol.4 ~落とし穴に落ちないで~

前回までは、筆者が専業主婦になった理由(vol.1)、世間のイメージと実態(vol.2)、そして専業主婦になることでどのようなリスクがあり、どのような覚悟が必要とされるかを書きました(vol.3)。
今回は、数年間の主婦生活の中で、とても大切で常に心に留めておくべきだと感じたことについて述べていきます。


外で働く苦労を忘れずに

専業主婦になって最初に驚いたことは、自分が外に働きに出なくても生活できるということです。口座には毎月(夫の)お給料が振り込まれ、そこから生活の中のもろもろの出費をまかなえ、貯蓄をすることができる――。それが不思議な感覚だというのは、現在働いている方や働いていたことのある方ならわかると思います。しかし最初こそ驚いたものの、半年経ち1年がすぎると、だんだんと慣れてくる……そこが落とし穴です。

感謝の気持ちをもって接する大切さ

外で働く夫と家で働く妻は、言ってみれば分業です。お金を稼いでいないからといって卑屈になる必要はまったくありません。ですが、主婦には主婦にしかわからない大変さがあるように、外で働いてお金を稼いでいる夫には外で働く者にしかわからない大変さがあります。多少体調が悪くても休めなかったり、重たい責任や重圧に耐えていたり、ものすごい緊張感にさらされていたり、理不尽なことがあっても歯を食いしばって耐えていたりと、具体的な内容は人にもよりますが、お金を稼ぐのは大変なことです。それなのに妻が当たり前のような顔をして給料を受け取り、感謝の気持ちはどこにも感じられず、それどころか「○○さんのご主人は高給取りなのに」などと言われた日にはたまったものじゃありません。
主婦だって、頑張って作った料理に何も感想をもらえず当たり前のように毎日食べられ、「○○さんのとこの奥さんの弁当がおいしそうでさー」なんて言われたらムカッときますよね。一言「おいしい」と言ってくれればとても嬉しいものです。
大げさに伝えなくてもいいのです。外で働く苦労を忘れず、感謝の気持ちをもって接し、夫をいたわりましょう。

視野を広くもつこと

外で働いていれば自然と社会の動きに敏感になるものですが、家庭に入るとだんだんと視野がせまく、しまいには半径数メートルになってしまいがちです。「世間知らずの奥さま」ではなめられます。新聞を読むなりニュースを見るなりアンテナをはって最低限の社会の動きを知り、できるだけ視野を広くもつようにしましょう。
そのためにも、独身時代の友人との交流を続けることは大切です。筆者の大学時代の友人は結婚後も働き続けるキャリア女性が多く、彼女らと話すことは、単純に気心が知れていて楽しいだけでなく、自分にはなかった視点を与えてくれる大切な機会でもあります。自分と同じ生活スタイルの主婦友達をつくることももちろん、お互い共感しあえる点が多く、励ましあえるというよさがあります。でもその輪の中だけにこもるのではなく、さまざまな生活スタイルのコミュニティとつながりをもっておくことが、「視野狭窄」に陥らないためにとても有効です。

Vol.5ヘ続く

2015.06.22

  • Twitterでシェア
  • f Facebookでシェア
  • B!はてなブックマーク

記事を書いたのはこの人

Avatar photo

Written by 吉原由梨(ヨシハラ ユリ)

東大法学部卒業後、外資OL、秘書職を経て、現在は都内で夫と二人暮らしのフリーライター。30代初級者。 趣味は読書、グルメ、美容と健康の研究、マッサージ巡り、人間観察etc. 自身の経験や思索、あとは好奇心の赴くまま、幅広いジャンルのコラムを書いていきます。 Twitter:@yuriyoshihara ブログ:http://yuriyoshihara.blog.jp 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子