福島で見てきた!放射能汚染土壌の今、そして注目されている除去システムとは

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Googirl編集部

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2012.06.20.Wed

誰もが忘れることのない2011年3月11日ーー。あの日の午後3時46分、マグニチュード9を記録した超巨大地震で、福島第一原発はメルトダウン。レベル7に相当する放射性物質が大気と海に放出されました。その結果、原発周辺地域の土壌が放射能汚染され、何十年もの間人が住めない、作物が作れないなどの不安が避難住民に蔓延していました。

今もなお、放射能汚染の問題が冷めやらぬ福島県。ニュースを追っていると、とても他人事とは思えません。あの事故が起こってから、福島県へ関心をなくすことなどできませんでした。そんな中、新しい放射能汚染土壌除去システムが発表されると聞いて、現地へ向かうことに。

開発を担当したのは、株式会社EMCOMホールディングス(本社所在地:五反田)。日本大学工学部との共同研究です。フィライト(千枚岩)を活用した、放射能汚染土壌の除去システムを作ったそう。6月15日に行われた発表記者会見・実証実験に参加してきました。

放射能の除染作業はコスト削減と除染作業の拡大・スピード化が課題だといわれています。放射能汚染土壌の除去システムでは、汚染土壌を「汚染のない土壌」「セシウムを含有する粘土質懸濁水」とに分別します。前者を再利用可能な土壌に回復させ、後者は微量の堆積物に凝縮し、中間貯蔵施設格納時の負担を減らすしくみになっているそう。

さて、最初に出てきた「フィライト(千枚岩)」とは、聞き慣れない言葉かも知れません。これは粘土質の堆積層が変性、風化、腐食して生成された天然鉱石のこと。近年では、有機農業の分野で肥料として使われたり、プラスチック・ゴムなどを燃えにくくする難燃剤としても利用されるなど、活用の幅を広げていて、市場でも大きな注目を集めている原料です。

さらに優れた吸着力も持つことから、作物の汚染対策としても用いられるようになりました。フィライト内部でスクランブル状に入り組んでいる気孔は、他の物質よりも容積・面積ともに大きく、吸着力も非常に高くなっていて、セシウムを一度吸着すると排出しにくい構造となっているのです。

除去システムの処理速度について、会見の質疑応答では、記者から質問が飛ぶシーンも見られました。日本大学工学部の平山和雄教授によると「処理時間は1工程3分間以内で、15立法メートルの汚染土壌を1時間程度で処理することができる」とのこと。スピードと正確さが、かなり大きなポイントとなっていることが分かります。

会見後に行われた実証実験では、土壌成分中の粒子を簡単に分離し、除染率90%まで洗浄された砂礫層(約500ベクレル/kg)を回収してみせてくれました。今後はこのシステムを土壌だけでなく、ヘドロやがれきなどへの応用していくことも目指しているそうです。

EMCOMホールディングス・金学敏代表取締役社長が「福島の色々なところで活用し、一刻も早く元の福島県に戻していきたい」締めくくっていたことが印象的でした。今後も放射能汚染について学んで行く必要があると感じました。これは決して遠いところにある話ではなく、とても身近な話だともいえます。事故を風化させることのないよう、1人1人が意識しておきたい話題だと感じる取材でした。

ライター:池田園子

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