量より質です! そろそろ友だちの「棚卸し」してみませんか?

2016.03.27

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SNSがこれだけ普及すると、もはや自分の“アイデンティティ”になっているという方も多いでしょう。そしてフェイスブックなどでは友だちの多さが人気の目安となっているようなことはありませんか? でも友情という濃密な人間関係であればこそ、重視すべきは“量”ではなく“質”なのです!


やみくもに“数”を追いかける、ナンバー・ゲームはもう止めよう!

SNSというオンライン上のネットワークでは、“友だち”は数字であらわれます。ほとんど会わない人でも、それほど面識のない人でもとりあえず“友だち”にしておけば、人数はどんどん増えていきます。でもそんないわば実体のない“友だち”にどれほどの価値があるのでしょうか。もちろん他人にはその内実は知れません。ただ人数としか映らないのです。
フェイスブックでは、ひとつのアカウントで“友だち”になれる人数を5,000人までとしてあるそうですが、それでも“少なすぎる!”という人がいるとか……。
でも現実的に一人の人間が、本当の意味で友だち付き合いできる範囲はこれよりもはるかに小さい、というのがかずかずの研究から判明しています。友だちであるからには、その人のことをよく知るだけでなく、相性がよく、お互い心地のいい関係を築いていかなければなりません。でもそれには相応の労力と時間がかかるのです。本当にそれだけの代償(コスト)を払ってまで人間関係を結べる相手は、いったい何人くらいなのでしょうか?
進化人類学が専門のロビン・ダンバー博士によれば、人がうまくコントロールできる対人関係はせいぜい150人くらい、そして“本当に大事だ”と思える相手はおよそ50人ほど、共感しあえる身近な存在が12~15人ほどだろうと考えられています。
つまりオンラインの表面上の“友だち”ほど、実体のないあやふやな存在はないということです。

“友だち”がみんないいとは限らない、なかには“毒”となる人も……

では“友だち”は皆、自分に好ましい影響を与えてくれるのでしょうか。理想的にはそうあって欲しいものですが、現実はなかなかそうはいきません。学校、職場、住んでいる場所といった外的条件上、付き合っていても、本当の友だちとして心許せる付き合いができているとは限らないのです。
お義理的な付き合いだったり、打算的な理由から付き合っているだけだったら、それは“友だち”ではなく、むしろ“知り合い”と呼んだほうがよいでしょう。ましてその人と一緒にいても楽しくない、あるいはイライラしたり、劣等感を感じさせる――というのだとしたら、自分にとって悪い影響しかありません。
そう言ったいわば自分にとって“毒”となるような相手とは、無理に友だち付き合いを続けるのではなく、そっと離れていくことがむしろ自分のためにも、相手にとっても最良の道と言えるでしょう。

人生のステージとともに、“友だち”も変化する、それでいいじゃない?

「せっかく出会えたのだから、ずっと仲良くしていたい」という気持ちはもちろん大事でしょう。でもだからといって、今まで生きてきたなかで友だちになった人、知り合った人、そのすべての人と親密な関係を保ち、友情を培っていくことはほとんど不可能と言ってもよいのです。
それに進学・就職・結婚・出産と、それぞれ人生のライフステージは刻々と変わっていきます。それに合わせて自分がもっとも必要とする友だちも変わっていくのは当然のこと。それにもちろん相手だって変わっていくし、いつまでも自分が知っているままの相手ではありません。
ですから、なにかと人間関係に疲れてしまうという人は、まず“友だち”の棚卸しをしてみることをおすすめします。自分に生きる活力を与えてくれるのではなく、エネルギーを吸いとられてしまうような人はまずさっそく“友だち”からハズすのです。
そうやって友だちの棚卸しをしていくと、自分にとって本当に大事な人たちだけが残り、人間関係でもいたずらにエネルギーを消耗することがなくなりますよ!

2016.03.27

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記事を書いたのはこの人

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Written by Waxy

南半球オーストラリアから世の動きを眺めています。 ガーデニング好きで、イチゴ栽培が特にお気に入り。