大人でもこじれやすい……実親との付き合いが難しい理由とは?

2015.12.29

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よく結婚した人が姑など義理の親との付き合いが難しいと不満をこぼしたりしますが、では実の親との関係はどうなのでしょうか? 既婚でも未婚でも大人になってから、実の親との関係に悩んでいる人は意外と多いと思いみたい。いったんこじれると関係修復が難しいのも事実で、悩ましいですね。
血のつながった親子のはずなのに、良好な関係をキープするのが難しいのはどうしてなのでしょう?? じつはそれなりの理由がちゃんとあるのです。


“親なんだから、子どもなんだから、わかってくれるだろう”という幻想

いくら親子とはいえ、大人にもなれば独立したひとりの人間として個性も考え方も、親と大きく違っていて当然。でもこれは頭ではわかっていてもやはり親のほうは、“自分が手塩にかけて育てたんだから、親の意向や気持ちを当然子どもは理解しているはず”と思い込みがち。
子どものほうも子どもで、親に対する甘えもあってか、“今まで育ててきてくれたんだから、私がどうしたいのかわかるはずでしょ”という意識がぬけません。こうやっておたがいが、相手方は当然自分の気持ちを理解してくれているはずだ、期待を裏切るようなことはない、だって親子なんだから、と考えやすくなる構造があるのです。
だからひとたび意見の食い違いや、考え方に賛成できなくなるとひどく落胆し、ときには反感につながってしまうこともあるのです。赤の他人だったら、きっとどこかで“この人は私とは考え方も違うんだわ”と一歩引いた冷静な態度ができるのでしょうが、実の親子となると、そんなふうに割りきれません。親子というきわめて近しい関係ゆえに、“どうして私の気持ちをわかってくれないの!?”というフラストレーションがたまりやすくなってしまうのです。

“身内”ゆえに、感情が容赦なくむき出しになってしまう

さて“どうしてわかってくれないの!?”というイライラがたまると、つい相手に対してもとげとげしい態度になったりキツイ口調になりがちで、人間関係をどんどん悪化させてしまいます。これが友人だったらあえて距離ととったり、相手から離れていくこともそれほど難しいことではありません。また仕事がらみでの人間関係だったら、“これを我慢するのも仕事のうち、お金をもらっているのだから”という気持ちで割りきることができるでしょう。
しかし親子ともなるとそうはいきません。そう簡単に縁を切ることもできないし、金銭的報酬という精神緩和剤もないのです。そうなるとどうしても感情が容赦なくむき出しとなり、相手を傷つけるひどい言葉を言ったり、大人げない態度をとったりしやすくなります。そうなると関係もこじれていくばかり。親子というきわめて近い関係なので、第三者が間に入ったり、仲裁したりということも難しく、関係修復はどんどん難しくなっていきます。

親は子どもをコントロールしない、子どもは過大な期待を持たない、が基本ルール

せっかくの親子関係、親にとって子どもはいくつになってもいとおしいはずだし、子どもだって親を大切にしたいという気持ちがあるはず。子どもとはいえハタチすぎて成人となっていたら、親も必要以上に子どもをコントロールしようとしないことです。
親としての愛情から発することでも、子どもにとっては支配、コントロールと受けとれるようなことがよくあります。親自身がそのことに気づいていないことが多いようです。また子どものほうも、自立して“親なんだからきっとなんとかしてくれるはず”という過大な期待を持たないほうが賢明でしょう。

親子としておたがい思い合っているからこそ、熱くなりすぎず必要以上に干渉しすぎない、相手の意思を尊重して適度な距離をたもつということが、いつまでもいい関係を築くための“大人の知恵”なのかもしれません。

2015.12.29

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記事を書いたのはこの人

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Written by Waxy

南半球オーストラリアから世の動きを眺めています。 ガーデニング好きで、イチゴ栽培が特にお気に入り。