もはや現代病なのかも……テクノロジー依存症になっていませんか?

2015.06.28

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ツイッターにフェイスブックなどのSNSはもはや当たり前。それに加えLINEでのやりとり――。ここ数年でコミュニケーションツールも圧倒的に発達し、ますます便利になった世のなか。でも果たしてこれらはすべて私たちの生活を豊かにするように働いているのでしょうか……。


SNSと「テクノロジー依存」

「テクノロジーは素晴らしいもので、私たちの生活に関わる多くのことを単純化してくれました。しかしその一方で、他のことを複雑にしているのも事実です」

とは心理学者レベッカ・ヘンズホール先生のお言葉。たしかにフェイスブックで今までは知らなかったはずの他人のプライベートな生活を見てしまったために、モヤモヤした嫉妬感が生まれたり、また元カレ・元カノのその後を知って落ち込んでしまう……なんてことはよくある話です。ではどこまでが健全な使い方、どこからがテクノロジー依存症といえるのでしょうか? ヘンズホール先生によれば、その境界線は仕事とプライベートの区別と同じく、どんどん曖昧になってきていると言います。

「ドーパミンループ」におちいる脳

スマホやタブレットなどを長時間使用することによる、健康への悪影響も懸念されています。

・デバイスの画面を見るために猫背となることで、脊柱によけいな負荷がかかる
・睡眠時間が大幅に減るなど、睡眠障害の原因となる
・性欲が大幅に低下する

もちろん多くの人がそんなデメリットも何となく理解しているのですが、それでも止められないのはどうしてでしょう。研究者たちによれば、ソーシャルメディアには私たちの精神を「ドーパミンループ」へいざなう傾向があると指摘しています。「ドーパミン」とは快楽を呼び覚ますホルモン。これが際限なく分泌されることで脳がつねに刺激を受け続ている状態を指します。自分の発言がリツィートされれば自尊心が刺激される。なにか重大なニュースや発表をいちはやく発信すれば、なんだか自分の価値も高まったような気分になることでしょう。こういった「快楽」をつねに感じているため、止めようにも止められなくなるというのです。

限られた24時間のなかで「満足」をどう得るか

しかしどんなにテクノロジーが発達し、便利になろうとも、私たちに与えられた時間は1日24時間です。そのなかでSNSやネットを見ている時間が増えたら、どうしたって他の時間にしわ寄せがいってしまうのはもはや自明のことです。
ある海外の調査で「フェイスブックに費やす時間が多い人ほど、人生に対する満足度が低下している」という結果が出ていました。それは他人の「きらびやかな生活」を見せつけられて嫉妬心や自己嫌悪感が高まり、自分の生活が「劣っている」と感じてしまうからのようです。でも、みんなの投稿がすべて本当であるという保証はどこにもありません。みんなが「リア充ぶりをアピールしたい」という気持ちから内容を「盛って」いる可能性が高いし、事実「自分のSNS投稿内容は100%すべて現実のこととは限らない」と自覚している人もけっこういるのです。そんな虚構の内容に振りまわされることこそ、テクノロジー依存の一番の弊害かもしれません。

2015.06.28

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記事を書いたのはこの人

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Written by Waxy

南半球オーストラリアから世の動きを眺めています。 ガーデニング好きで、イチゴ栽培が特にお気に入り。