エコかつオシャレなインテリアがずらり「スイス・デザイン賞 展」へ行ってきた!

洗練された部屋にしたい。インテリアの路線変更をしたい。センスを磨きたい。そんな方はインスピレーションを刺激してくれる、オシャレな展示を見に行ってはいかが?
先日、スパイラルガーデン(東京・表参道)で開催されている「スイス・デザイン賞展」(11月18日まで開催)へ行ってきました。

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こちらは、受賞作品やノミネート作品に加えて、スイスの優秀なプロダクト、プロジェクト、コンセプトなどを紹介した国際巡回展。一昨年の展覧会が好評を博し、今年も開催されることとなりました。最先端のスイス・デザインを紹介するほか、スイス人デザイナーたちが来日し、作品の紹介や日本の専門家と交流したり、イベントを行う日もあるようです。詳しくはサイトをチェック。

ユニークだと感じたアイテムをピックアップしていきます。検索すればネットで購入できるものもあります。

スイス・デザイン賞 展

デザイナーのコリン・シェーリーがスイスで創設した「colin」の家具コレクション「コンドットテンポラリー・ファニチャー」のひとつ。釘やねじを一切使用せずに組み立てられているという事実に驚愕!
それにも関わらず、びっくりするほど強固な構造なのがステキ。合板プレートでできた部品をはめ込んでできており、持ち運びやすく何よりも組み立てが簡単だそう。制作から梱包、発送まで一連の作業を地元の工務店に任せることで、エネルギーや運送コストを削減していることからも、エコの風土が伝わってきます。

「Tip Ton」という「前傾する」新しいかたちの椅子。前後の脚をつなぐ渡し板の前方が9度上へと傾き、後方よりも少し内側へと入り込んでいるのが特徴です。写真にあるように積み重ねても安定性を損なうことなく、前方へ傾いたまま安定感をキープ。
ちなみに前傾した状態で座ると、骨盤と背骨がまっすぐに保たれ、腹部と背筋により潤滑な血液循環がもたらされるそう。一般的にオフィス用の椅子についている機械部品なしに、機能的にかつヘルシーに座れる椅子です。座り仕事でも健康的になれそう。

「リバーシブル」という名前がつけられた椅子。4本の曲がったスチールパイプを組み合わせたフレームとその間に張られた布製カバーだけで、ごくごくシンプルにつくられています。フレームの間に張られたリバーシブルの布地をはずし、後ろ脚を回してフレームを組み立て直すだけで、普通の椅子からリラックスチェアーへと簡単に変形できるようです。
推薦者も「最小限の材料と操作で目的を達成している」と高い評価を寄せていました。シーンに応じて形を変えられる椅子を持つことで、余分な家具を持たなくても良い点も素晴らしい。

最先端のエネルギー効率を誇る照明技術を使いながらも、従来の電球のかたちを兼ね備えた、LED電球の「NATURE BULB」にも注目したいところ。電球中央に開けられた冷却穴は世界的に特許が取得されているのだそう。電球のデザインにユニークな印象を与えています。部屋に飾りたくなるオシャレ感がたまりません。
「360度すべてを照らす」という照明も特許を取得しています。ランプシェードがなくても使用でき、どんなインテリアにもなじみやすいデザインも魅力的。エコの観点からいうと、電球の寿命が長く、省電力(4.5W)で、健康に配慮した材料が使用されていることも最高です。

スイスのアーミーナイフとして、世界中で長年愛され続けている「VICTORINOX」も発見しました。ブレード(小型ナイフ)、はさみ、つめやすり、ネイルクリーナー、キーリングの5つの機能を持っているのにとても軽いんです。昨年秋から販売されている「VICTORINOX TOMO」の現物も並んでいました。
2011年度グッドデザイン賞を受賞したというだけあって、洗練されたデザインに惹きつけられます。色はビクトリノックス・レッド、ホワイト、ピンク、アップルグリーン、ミントグリーン、カプリブルー、レモンイエローの全7色で、価格は2,940円とお手頃。
世界中から膨大な数のデザイン提案が寄せられますが、その採用数はこれまでに2例しかなく、限りなく低いということが分かります。そんななかVICTORINOX TOMOは、日本人アーティストのデザインが初めて採用された例だとか!スイスと日本、この2つの文化の良さを最大限引き出すために、最初のサンプル提出から完成まで4年の月日を要したそう。長年の歳月をかけてつくられた、研ぎ澄まされたデザインにうっとりしてしまいます。
「こちらの“TOMO”という名前には“友”や“供”といった意味が込められています。普段から持ち歩いて生活のなかで役立てていただきたいですね。特に女性の方に便利さを実感していただきたい」(ビクトリノックス広報/西野道代さん)

特につめに関する機能が2つもあるので、実はネイルに気を使う女性にぴったりのアイテムです。自分ではなかなか買わないものだけに、ギフトにすると喜ばれそう!
ちなみにミントグリーンは特に女性人気が高いのだとか。

紙も切れる

びっくりするくらい小さい

株式会社アビタックス代表・山口和馬さんが今回の展示用にデザインしたもの(非売品)

それにしてもパッケージが何だか特殊。これは一体何の素材を使っているんですか?

「こちらは再生可能な100%リサイクルパルプです。スイスでは国をあげてエコを推進しており、ビクトリノックス社も128年の歴史の中で、将来に渡って環境に配慮していこうという企業理念を絶えず持っています。製造工程で発生する廃熱を利用して、工場建物と住宅棟の暖房に使うなど、地球にやさしい動きに取り組んでいます」(西野さん)

エコを意識することで、よりシンプルに洗練されたアイテムが生み出されるのかーーそう発見できた刺激の多い展覧会でした。期間中に訪れてみてはいかが?

2012.11.13

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記事を書いたのはこの人

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Written by 池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子