深刻化する映画館離れ…その背景にあるものとは?
最近映画館に足を運んでいますか?
筆者は子供が産まれてからというもの、子供の映画に付き合う以外、訪れることはなくなってしまいました。子供がいても、本当に見たい映画であれば見に行くチャンスはあるのですが、そこまでする魅力的な映画に出会わないのも現実です。事実、そう考えている方は相当数いるようです。
過去最も低い水準に達した映画興行収入
日本映画制作者連盟の調べによると、2011年の日本の映画興行収入は前年に比べ2割程度減り、過去5年間で最も低い水準であるということです。
また、gooリサーチが10代~70代の約3000人の男女を調査した結果、1年以内に映画館で鑑賞した人は全体の45.3%でした。性別・年代別でみると20代以下の女性では約6割と高いのに対して、60代以上のシニア鑑賞率は男女共に3~4割と低かった。調査では1年以内に鑑賞した本数が前の年に比べてどう変わったかも聞きました。「増えた」が全体の10.3%にとどまったのに対して「減った」は3倍の29.9%でした。
映画館離れが増加する理由とは?
① コンテンツ不足
本数が減ったと答えた人に理由を尋ねた結果、最も多かったのが「見たい作品がなかった(少なかった)」とする消費者を映画館まで引き込むコンテンツ不足。
② 映画館の料金への不満
映画館の料金が高いと不満を感じている人も多い。
料金を改定した場合、鑑賞回数はどう変化するのかについても調査している。TOHOシネマズが昨年に一時的に導入した1100円、サービスデーのみに適用される1000円、さらに安い800円、レンタルDVDの新作料金に近い100円の4段階の料金に分け、鑑賞回数が増えるかどうかを聞いた。1100円では「変わらない」が8割と大半を占めたが、1000円に下がった場合は「増える」が55.3%と半数を超えて「変わらない」を上回った。800円では67.6%、100円では77.5%が「増える」と答えた。
③ 自宅で視聴する方が楽
映画館までわざわざ足を運ばなくても、近年DVDとしてリリースされる期間も短く、すぐにレンタルすることもできる。また、パソコンやスマートフォンにダウンロードして視聴することもできるようになった。そんな視聴環境の変化も映画館離れに大きく影響しているようです。
映画館離れを救う救世主?!邦画の人気が上昇中!
調査では1年以内に鑑賞した映画のジャンルについても尋ねています。「邦画と洋画の両方」が43.2%でした。また、「邦画のみ」は36.0%と「洋画のみ」の20.9%を約15ポイント上回り、邦画人気の高さを示しています。この理由については、「好きな俳優が出演している」が最も多い結果に。「好きな原作(小説・漫画)の映画で興味があった」も多く、今後も「原作の映画化」は続きそうです。
このような映画館離れを打開する方法として、料金の引き下げは必須であるといえそうです。特に1100円と1000円では大きな差が見られた結果から、料金を1000円に下げれば比較的大きな集客効果をもたらすと考えられています。
【参考記事】 映画館での映画鑑賞に関する調査 : gooリサーチ