スマホやタブレットを操る子ども達…その影響とは?
産まれた瞬間からデジタル化された世界に身を置く現在の子ども達にはもはやスマートフォンやタブレットは当たり前のものとして存在する。
大人を真似することが得意な子ども達はスマホやタブレットを誰が教えた訳でもないのにアッという間に使いこなす。我が家の息子も1歳半頃から興味を持ち、使い始め、2歳を過ぎた今では勝手に取り出してはyoutubeを一人で視聴できるまでになった。まだ言葉もたどたどしい幼い子どもが大人顔負けにスマホやタブレットを自由自在に操る姿は、見ていて末恐ろしいものがある。
そう感じている親は筆者だけではないようで、聞けば周りの子を持つ親も同じように感じており、子どもへの影響を心配する声を聞く。この新たに登場した端末の子どもへの影響について調べてみた。
テレビを見せるならアプリで遊ばせろ?!意外な好影響
タッチスクリーンの機器が子どもたちに及ぼす影響を研究している小児専門の神経科学者や研究者らは、これらの機器はテレビとは異なる効果を持つと示唆している。マサチューセッツ大学で心理学を教えるダニエル・アンダーソン名誉教授は、幼児は1時間に150回テレビ画面から目をそらすと指摘。30年間に及ぶ同教授の研究はまた、画面を見つめる子ども達の視線が定まらないことを示している。
一方、良くできたスマホやタブレットのアプリはより視線を引き付ける。子どもが触る場所とアクションが起こる場所が多くの場合同じだからだ。研究者の多くはこの特徴が子ども達の学習を助けることになると期待している。
研究によると言語能力を育成するアプリを使用した4~7歳の子ども達の語彙力が伸びた。脳は生後数年の間に最も発達する。人間は脳細胞1個につき約2500のシナプスを持って生まれてくる。その数は3歳までに1万5000にまで増えるが年をとるとその数は減っていく。スマホやタブレット利用者と利用していない生徒の学力向上レベルを比較し、スマホやタブレットは幼児の成績向上に効果があるという結果が出たという。幼児期の読み書き能力を養うにはスマホやタブレットの活用は効果的であるようだ。
成長、健康への悪影響を心配する声も
スマホやタブレットは子どもへは依存度が高く、30分間隔を開けずに使用するようになったら注意が必要だ。また、視覚と動作の統合成長を妨げることがあるそうだ。
乳児の時は見ることとつかむことはバラバラで一定の発達時期に来れば「欲しいものを見ればすぐつかむ」と二つの行為は合体される。しかし、スマホやタブレットは「映像を介した擬似的物体」であるため、幼児の発達段階への影響が考えられるということだ。
これは長時間使用や使用開始年齢が低いほど引き起こされる可能性が高くなるという。また、ブルーライトによる視力低下も無視できない。
全体を通し言えることは、スマホやタブレットは最近登場したばかりで、その子どもへの影響はまだまだ未知のところが多い。かつてテレビやゲームが子どもを魅了し、その影響を心配したように今回も同じようなことが起きているといえる。
子どもを大人しくさせる手段として与えてしまっている親も筆者を含め、多いと思うが、親が心配であるならば制限することも必要なのではないかと思う。それ以前に親もスマホ依存にならないよう気を付けたいものだ…。