「上の子優先説」への戸惑いと折りあいのつけ方

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宮野茉莉子

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2015.09.01.Tue

2人目を妊娠した途端、周囲から「上の子を優先してあげてね。赤ちゃんはまだよくわからないのだし」と声をかけられることが多い。この「上の子優先説」、正直戸惑いを感じる人もいるのではないだろうか。
逆に1人目のときは「赤ちゃんはわからないようでよくわかっているからね」と、反応がほとんどないうちから手をかけるようにいわれる。なのに2人目は泣かせっぱなしにしてもうえの子優先……4歳と4か月の兄弟をもつ筆者は、この矛盾に折りあいをつけるまでに3か月はかかった。

ホルモンと物理的に考えた結果

妊娠中は「上の子がかわいすぎて、下の子も同じように愛せるかな?」と不安だった。しかし産んでみれば取りこし苦労、下の子もかわいい。おそらく産後のホルモン関係だと思うが、上も下も同じくらいかわいいけれど、下の子はより本能的にかわいい。同じ我が子でも、なにもできない赤ちゃんを守り育てるためにそうできているのだろう。なので上の子優先で下の子を泣かせっぱなしにしておくのも、あまり構えないのも、心が痛くてしかたない。
物理的に考えても、下の子は1対1で構えないぶん、できるだけのことはしてあげたいと思うのが道理のように思う。とはいえ、上の子も親が思うより何十倍も我慢しているし、さみしい思いをしている。姉として育った筆者も、親に「好きでお姉ちゃんとして産まれたわけじゃない!」といった覚えがあるものだ。上の子優先にしなきゃ、でも本当にそれでいいのかな……筆者の場合この葛藤が長く続いた。

「感情構造」と「記憶力」を考える

悩み続けるなかでストンとふに落ちたのが、「複雑な感情をもっているのは上の子」というアドバイス。最初のころの赤ちゃんは、おおまかに快・不快の感情しかないし、記憶力もない。ところが上の子は、さみしい・うらやましい・悔しい・妬ましい・悲しい……など複雑な感情構造をもつうえに、長期的な記憶力もあわせもつ。どっちがより辛いか? と考えれば、たしかに上の子。やはり上の子優先説、間違ってはいないように思える。

下の子に構うルールを作る

それ以降基本は上の子優先、でも下の子にも後悔が少なく構えるよう、スケジュールを組むようにした。上の子が1人遊びをしたりDVDを見るときは、下の子と遊ぶ。1日1回は下の子に絵本を読む。家事ついでに下の子を構うときもある(洗濯物を干すのを見るのが好きなのだ)。
愛情を伝える方法もわけてみた。「上の子には言葉で、下の子には肌で」を意識する。たとえば上の子は「お兄ちゃんが1番生まれだから先だよ、っていって!」と求めるので、こういった言葉を伝える。逆に下の子には授乳や抱っこなど肌の触れあいを多くする。なにより1番大切なのは、中途半端にしないこと。罪悪感やうしろめたさをもって接していては、必ず伝わってしまう。どっちを構うときでも、本気で向きあう。上の子が嫉妬することも恐れたが、今のところ上の子はママと同じように下を構っている。
けっきょく切なさや複雑さは、ママ・上の子・下の子と全員ゼロにはできないだろう。なにごとにもプラスがあればマイナスもあるものだ。そう考えて今日も、できる限り後悔が少なくなるよう子どもに接していこうと思う。

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記事を書いたのはこの人

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宮野茉莉子

84年生まれの哲学ライター。東京女子大学哲学科卒業。野村證券を退職後、2011年よりライターへ。主に生き方や働き方について、哲学を交えた本質を探る記事を執筆。他、子育て、夫婦、FPとしてマネーなど、6媒体で執筆中。愛雑誌は『PRESIDENT』。現在一男児子育て中。
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