“仲良し”だからいい関係とは限りません! 友だち親子がじつはキケンなワケ

2014.08.16

  • Twitterでシェア
  • f Facebookでシェア
  • B!はてなブックマーク

「友だち親子」という言葉が使われるようになったのはいつ頃からなのでしょう。子どもとまるでお友だちのような感覚で接することが仲の良い関係だと考える親たちが増えてきたことも大いに関係しているようです。親子で仲が良いというのは一見素晴らしいことのように思えますが、実は意外な落とし穴が……。海外の教育関係者たちが、その落とし穴についてなかなか鋭い指摘をしているのでご紹介したいと思います。


親の本来の役目とは??

親子で仲が良いこと自体は悪いことではありません。ただし、子どもと対等の立場になり、まるで友だちのような付き合いをするのは親としてはリスクが高いと言えるでしょう。そもそも親子は対等の立場ではありません、親として社会のルールを子どもに教え、良いこと悪いことの判断がきちんとできる自立した大人に育てることが本来の親の役目です。そのためには、子どもの要求に何でも分かり顔で応じるのではなく、ときには断固として「それはダメ、いけないことです」と突き放すことも必要です。そもそも子どもは自身で、友だちを作り、社交ネットワークを広げていきます。子どもが親に期待するのは“友だち”ではなく、ある種の権威を持った尊敬できる人生の先輩なのです。

“友だち親子”に潜むキケン性は無視できない!

“友だち親子”になることは実は親にとってリスクの高いことでもあります。“友だち”という対等な立場になってしまうと、子どもから親として尊敬されることが難しくなります。そうなると、いざしつけが必要なシーンで「それは止めなさい」と言っても子どものほうは聞く耳を持たなくなるでしょう。つまり親としての権威を自ら放棄しているようなもので、そうなっては子どもとしても「親なのに友だちみたい」という関係がむしろ不快で、ときに激しい反発を招くこともあると考えられます。

親として子どものためにすべきこととは?

親として子どもにしてあげたいのは、自分が“友だち”になるのではなく、子どもがいろんな人と出会いながら、大事な友情を育めるようサポートしてあげることです。他人に依存しようとせず、自分でどんどん楽しみや興味のあることを追求できるような自主性を育めば、子どもは自ずから交友関係を広げていきます。

そしてもうひとつ大事なのは、親自身も充実した友人関係を持つこと。親が“友だち親子”になってしまう原因の一つは、自分がちゃんとした友人関係を持っていないため、子どもに依存してしまうことにあります。親自身が友人に恵まれていれば、子どもに必要以上に干渉したり、“友だち関係”を求めることもないでしょう。
“友だち”は人生のなかで、何人も出会いますが、親は子どもにとって唯一無二の存在です。ですから、子どもと一緒に楽しむべきことは楽しみつつも、毅然とした態度をとるようにしましょう。「子どもは親の背中を見て育つ」とも言います、あなたならどんな背中を子どもに見せたいでしょうか。

2014.08.16

  • Twitterでシェア
  • f Facebookでシェア
  • B!はてなブックマーク

記事を書いたのはこの人

Avatar photo

Written by Waxy

南半球オーストラリアから世の動きを眺めています。 ガーデニング好きで、イチゴ栽培が特にお気に入り。